年末の大掃除で、いちばん重い場所はどこでしょうか。多くの家庭では換気扇(レンジフード)・浴室・エアコンの内部——つまり、自分でやると丸一日かかって仕上がりも今ひとつな場所です。
そこで選択肢になるのが、重い場所だけプロに任せるハウスクリーニングです。ただしこのサービスには、はっきりした特徴があります。12月は1年で最も予約が取りにくいのです。
結論から言うと、10月〜11月中の予約が勝負です。この記事では、予約時期の実態と、頼む場所・自分でやる場所の切り分けを、家のことを引き受けているケンタさんとハル先輩の会話で整理します。

年末の大掃除。重い場所だけ任せるという選択肢があります
こんな方に読んでほしい記事です
年末の大掃除を考えると、換気扇と浴室が憂鬱になる
去年は12月に業者へ電話して、希望日が取れなかった
プロに頼みたいが、どこまで頼むと得なのか分からない
掃除で丸一日つぶれるのを、今年こそ避けたい
この記事の前提
料金・対応内容は業者や地域によって異なります。この記事は一般的な傾向の整理です。正確な料金・空き状況は各サービスの公式サイトでご確認ください。
毎年12月に大掃除をするんですが、換気扇で力尽きます。
換気扇は最難関です。油が固まっていて、洗剤をかけても落ちない。分解も戻すのも大変。ここで丸一日使って、他が手つかずになる。
まさにその通りの毎年です。
そこだけ人に任せるという考え方があります。全部頼むと高いですが、いちばん重い1〜3箇所だけなら現実的な金額に収まります。
わたしどもとしましては、大掃除の季節は毎年ひやひやしております。
ダニが出てきました。
掃除される側の意見も、ときどき挟んでもらいましょう。まずはいつ予約するかから。
結論:10〜11月に予約する。できれば施工も
最初に結論をお伝えします。
12月に施工したいなら、10〜11月中に予約してください。 12月は1年で最も混み合い、後半の土日から順に埋まっていきます。
さらに言えば、施工そのものを10〜11月にするほうが有利です。
9月動き始める時期
10月〜11月予約も施工も狙い目(空き・料金の両方で有利)
12月1年で最も混む。予約は10〜11月に済ませておく
1月〜2月年が明けると落ち着く。年始からやり直したい人・エアコンを後回しにした人向け
12月に大掃除をする予定?
はい
10〜11月中に予約する。土日は特に早く埋まる
時期にこだわらない
施工も10〜11月にする。空きも料金も有利
なぜ施工も前倒しがいいのか
「大掃除は12月にやるもの」という感覚がありますが、汚れは11月も12月も大差ありません。
1か月早く掃除して困ることは、ほとんどないはずです。それなら、
- 予約が取りやすい(希望の日時を選べる)
- 繁忙期料金にならない(12月は割増になる業者がある)
- 年末に他のことができる(買い出し・帰省の準備)
たしかに、11月に換気扇を掃除しても困りません。
困らないどころか、年末が楽になります。 12月にやることが1つ減るので。「大掃除は12月」という思い込みを外すだけで、ずいぶん違います。
12月がどれくらい混むか
12月は、次の事情が重なります。
- 大掃除の需要が集中する
- エアコンも大掃除のついでに頼む人が増える
- 年内に終わらせたい人が期限を意識する
- 業者側も年末年始の休みがある
結果として、後半の土日から埋まっていきます。「12月28日の土曜に来てほしい」は、11月の時点でも難しいことがあります。
12月後半の土日は早く埋まる
年内最後の週末は特に集中します。その日程を狙うなら、10月中の予約が現実的です。「12月に電話すれば取れる」という感覚だと、まず取れません。
去年、12月10日に電話して「年内は埋まっています」と言われました。
その時期だと普通です。 悪いのは業者ではなく、タイミングです。
12月に慌てて予約が取れなかった場合、わたしどもは年を越せるわけです。ありがたい話ではありますが。
敵に塩を送られています。
秋にやることのもうひとつの利点
エアコンについては、秋にやる合理的な理由があります。
夏の冷房で内部が湿り、汚れが育ちやすい状態になっています。暖房を使い始める前に落としておくと、においが出にくくなります。
夏の汚れを秋に落とす。 大掃除のついでではなく、それ自体に意味があります。
エアコンの詳しい話はエアコンクリーニングの頼みどきにまとめてあります。
換気扇と浴室とエアコンを、秋にまとめて頼む。 これができると、12月がかなり軽くなります。
どこを頼み、どこを自分でやるか
全部頼むと高くなります。切り分けが費用対効果を決めます。
予算は限られているので、全部は頼めません。
頼むべきは3箇所です。換気扇・浴室・エアコン。この3つは「自分でやると時間がかかるうえ、仕上がりも悪い」という条件が揃っています。
プロに頼むべき3箇所
①換気扇(レンジフード)

換気扇は油が固まっていて、家庭の洗剤では落ちにくい
- 油が固まっていて、家庭用の洗剤では落ちにくい
- 分解に手順があり、戻せなくなることがある
- 高い場所での作業で、腕が疲れる
- 洗剤や油で床・壁を汚しやすい
大掃除でいちばん挫折しやすい場所です。ここを外注すると、体感の負担が大きく下がります。
②浴室
- カビが目地に入り込むと、家庭では落としきれない
- 天井・換気口・エプロン内部(浴槽の側面パネルの中)まではやりにくい
- 換気口の内部は、開けたことがない人が多い
「見えているカビ」は自分で落とせても、「見えないカビ」の元が残るのが浴室です。
③エアコン内部
- 内部の洗浄は、専用の機材と養生が要る
- 市販スプレーの内部噴射は避けたほうがいい(故障や発火につながる事例が注意喚起されている)
自分でやる場所
逆に、次の場所は自分でやったほうが早いです。
- 窓・網戸 — 手間はかかるが、難しくはない
- 床・フローリング — 道具があればできる
- トイレ — 日常の掃除の延長
- 収納の整理 — これは業者に頼めない(何を残すかは本人にしか決められない)

窓や床は、手間はかかっても自分でできる場所
収納の整理は頼めないんですね。
何を捨てるかは、本人にしか決められません。 業者は「掃除」はできても「片付け」はできない。ここは自分の仕事です。
切り分けの表
| 場所 | 頼むべきか | 理由 |
|---|---|---|
| 換気扇(レンジフード) | ○ 頼む | 油が固まる・分解が難しい・挫折率が高い |
| 浴室 | ○ 頼む | 目地のカビ・エプロン内部は家庭では届かない |
| エアコン内部 | ○ 頼む | 専用の機材が要る。市販スプレーは避ける |
| 窓・網戸 | × 自分で | 手間はかかるが難しくない |
| 床・フローリング | × 自分で | 道具があればできる |
| トイレ | × 自分で | 日常の掃除の延長 |
| 収納の整理 | × 自分で | 何を残すかは本人にしか決められない |
予算に応じた優先順位
3箇所すべては難しい場合、優先順位があります。
1箇所だけなら → 換気扇
いちばん重く、いちばん仕上がりの差が出ます。
2箇所なら → 換気扇+浴室
生活の質に直結する2箇所です。
3箇所なら → +エアコン
秋に頼むなら、エアコンを入れる価値が上がります(夏の汚れを落とせる)。
迷ったら換気扇からです。ここが片付くと「大掃除の山場を越えた」という感覚になります。
心理的な効果もあるんですね。
大きいです。 いちばん嫌な場所が終わっていると、残りは片付きます。逆にそこを残していると、全体が進みません。
セット割を確認する
複数箇所を頼む場合、セット割がある業者が多くあります。
- 2箇所以上でいくら割引になるか
- 同じ日にまとめて作業してもらえるか
別々の日に頼むより、まとめたほうが安く、立ち会いも1日で済みます。
まとめて頼むと、料金も立ち会いも減る
3箇所を別の日に頼むと、3回立ち会うことになります。同じ日にまとめられるかを確認してください。出張費も1回で済むことが多くあります。
場所ごとに、何をどこまでやってもらえるか
「浴室クリーニング」と言っても、業者によって範囲が違います。何が含まれるかを知っておくと、見積もりを比べられます。

同じ「換気扇クリーニング」でも、分解の範囲が違います
換気扇(レンジフード)
一般的に含まれるもの
- フード(外側のカバー)の洗浄
- フィルターの洗浄
- ファン(シロッコファン/プロペラ)の分解洗浄
- 内部の油汚れの除去
確認したいこと
- ファンまで分解するか(ここが本体)
- 換気扇の種類(プロペラ式かシロッコファン式か)で料金が変わるか
- ダクト内部は範囲外のことが多い
ファンの分解が本体、というのは。
油が溜まっているのはファンです。 外側だけ拭いても、においも吸い込みの悪さも直りません。「表面だけ」の安いプランは、そこが抜けていることがあります。
浴室

浴室は「見えないところ」に差が出ます
一般的に含まれるもの
- 浴槽・床・壁・天井の洗浄
- 鏡の水垢除去
- 蛇口・シャワーの洗浄
- 排水口の洗浄
別料金・別メニューになりやすいもの
- エプロン内部(浴槽の側面パネルを外した中)
- 換気扇の内部
- 防カビコーティング
エプロン内部は、カビの温床になりやすい場所です。開けたことがない家が多く、ここを頼むと効果を実感しやすい。ただし外せない構造の浴槽もあります。
エプロン、というのを初めて聞きました。
浴槽の横についているパネルです。外すと中が空洞になっていて、水と汚れが溜まっています。「掃除しているのにカビ臭い」なら、ここが原因のことがあります。
浴室は湿気があって暮らしやすいのですが、あそこまで開けられるとさすがに逃げ場がありません。
エアコン
一般的に含まれるもの
- 前面パネル・フィルターの洗浄
- 熱交換器・送風ファンの高圧洗浄
- 動作確認
別料金になりやすいもの
- お掃除機能付き(構造が複雑なぶん割高)
- 室外機の洗浄
- 抗菌・防カビ処理
見積もりのときは必ず型番を伝えてください。 お掃除機能の有無で料金が変わります。
キッチン(換気扇以外)
- シンク・蛇口の水垢除去
- コンロ・魚焼きグリル
- 壁の油汚れ
換気扇とセットにできることが多いので、頼むなら一緒に相談すると効率的です。
場所別の要点
| 場所 | 本体はどこか | 確認すること |
|---|---|---|
| 換気扇 | ファンの分解洗浄 | ファンまで分解するか。種類で料金が変わるか |
| 浴室 | 目地・エプロン内部 | エプロン内部が含まれるか(別料金のことが多い) |
| エアコン | 熱交換器・送風ファン | お掃除機能付きの追加料金。型番を伝えたか |
| キッチン | 油汚れ全般 | 換気扇とセットにできるか |
同じ名前のメニューでも中身が違うので、料金だけで比べられません。「何が含まれますか」と聞くのが、いちばん早い。
業者選びで確認する6点
料金だけで選ぶと、後で困ります。

総額と作業範囲を書面で。口頭の「だいたい」は当てになりません
1. 追加料金の条件が明記されているか
「1箇所◯円」の表示に、次のものが含まれるか確認します。
- 出張費・駐車場代
- 汚れがひどい場合の追加料金
- お掃除機能付きエアコンの追加料金
- 繁忙期料金(12月は割増になる業者がある)
総額で確認してください。 「当日に見て決めます」という業者は、その場で断りにくくなります。
当日に追加、というのは避けたいです。
作業が始まっても、追加は断れます。 追加の作業は「新しい契約」なので、承諾しない自由があります。国民生活センターも「料金や説明に納得できない場合は、きっぱりと契約を断りましょう」と案内しています。ただその場で断るのは心理的にきついので、事前にどういう場合にいくら追加になるかを聞いておく。明記している業者は信頼できます。
当日その場で追加を契約してしまったら
自宅で結んだ契約は訪問販売にあたることがあり、その場合は法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日は、書面やメール等で解除できます(特定商取引法9条)。作業が済んでいても、その分の料金は請求されません(同条5項)。判断に迷ったら、消費者ホットライン188(局番なし)へ。
2. 損害賠償保険に加入しているか
作業中に、壁・床・設備を傷つける可能性はゼロではありません。
保険に加入しているかを確認しておくと、万一のときに話が早く済みます。多くの業者は加入していますが、確認する価値はあります。
3. 日程変更・キャンセルの規定
年末は予定が動きます。
- いつまで無料で変更できるか
- キャンセル料はいつから発生するか
早めに予約するほど、変更の可能性を抱えます。規定を知っていれば、安心して早く押さえられます。
4. 口コミの見方
口コミは参考になりますが、見るポイントがあります。
- 料金の話より、作業の丁寧さについての記述
- 養生の様子に触れているもの
- 極端な評価より、具体的な描写があるもの
「安かった」より「床を養生してくれた」「汚れた水を見せてくれた」という口コミのほうが、判断材料になります。
5. 作業時間と立ち会い
1箇所あたり1〜2時間が目安です。3箇所頼めば半日仕事になります。
- 立ち会いが必要(開始時の確認、終了時の確認)
- 家を空けられないので、半日は予定を空ける
6. 比較サービスを使う手もある
複数の業者を並べて比べられる予約サービスがあります。
- 料金と対応内容を一覧で比べられる
- 口コミがまとまっている
- 日程の空きが分かる
1社ずつ電話するより効率的です。ただし、掲載されていない地元の業者もあるので、そこは好みで使い分けてください。
- 1追加料金の条件が明記されているか(出張費・駐車場代・繁忙期料金を含む総額)
- 2損害賠償保険に加入しているか
- 3日程変更・キャンセルはいつまで無料か
- 4口コミは「作業の丁寧さ」について書かれたものを読んだか
- 5作業時間と、立ち会える日時を確保したか
- 6複数箇所ならセット割があるか
急かす業者は避ける
「今日決めれば安くします」と即決を迫る業者は避けてください。
大掃除は急ぐ性質のものではありません。「家族と相談します」で十分です。まっとうな業者は待ちます。
即決を迫られたら、いったん保留にする
その場で契約させようとする業者とは進めないでください。比較する時間を取れる時期(10〜11月)に動くのが、いちばんの防御になります。
12月に慌てて頼むと、選ぶ余裕もないわけですね。
そこが繁忙期のいちばんの問題です。空いている業者しか選べない。早く動くと、選ぶ側でいられます。
自分でやる場所を、効率よく片付ける
プロに頼まない場所を、どう進めるか。順番があります。

上から下へ、奥から手前へ。順番を守ると二度手間が減ります
大掃除の基本の順番
①上から下へ
天井・照明・棚の上 → 壁 → 床。ホコリは落ちるので、下からやると二度手間になります。
②奥から手前へ
部屋の奥から入口に向かって進めます。掃除した場所を歩き回らずに済みます。
③乾いた汚れ → 濡れた汚れ
先にホコリを取ってから、水拭きに移ります。逆にすると、ホコリが泥になって広がります。
いつも思いつくところから始めていました。
順番だけで作業量が変わります。 特に「上から下」は効きます。床を拭いた後に棚のホコリを落とすと、もう一度床をやることになる。
日を分ける
1日で全部やろうとすると、途中で力尽きます。日を分けて、1日1〜2箇所にしてください。
例えば、
- 11月:不要品の処分、収納の整理
- 12月上旬:窓・網戸、照明
- 12月中旬:キッチン(換気扇以外)、トイレ
- 12月下旬:床・仕上げ

1日で終わらせようとせず、11月から少しずつ
大掃除は11月から始める
「大掃除=12月末」だと1日に集中して、結局終わりません。11月から週末ごとに1箇所ずつ片付けると、12月末には仕上げだけになります。
先に捨てる
掃除の前に、捨てるものを出します。
物が減れば、掃除する面積が減ります。順番としては、
- 捨てる(不要品の処分)
- 片付ける(あるべき場所に戻す)
- 掃除する(汚れを落とす)
この3つは別の作業です。混ぜると、どれも中途半端に終わります。

捨てる・片付ける・掃除するは、別の作業です
掃除しながら「これ要るかな」と考えて、止まっていました。
判断と作業を混ぜると、どちらも進みません。 捨てる日と掃除する日を分けてください。
粗大ごみは早めに申し込む
年末に不要品を処分するなら、自治体の粗大ごみ回収は早めに申し込んでください。
年末は申し込みが集中し、回収日が年明けになることがあります。「大掃除で出したものを、年越しで家に置いておく」ことになりかねません。
11月中に申し込むのが安全です。処分の詳しい話は不用品回収の頼みどきにまとめています。
布団・寝具も忘れずに
意外に見落とされるのが、寝具です。
- 布団・毛布を干す、またはクリーニングに出す
- 敷きパッド・シーツを洗う
- マットレスに掃除機をかける
そこは触れないでいただきたかった。
動揺していますね。
寝具は毎日8時間使う場所です。年に一度は手を入れる価値があります。布団のクリーニングも、繁忙期を外すと安いことがあります。
道具を先に揃える
作業の途中で「洗剤がない」と気づくと、そこで止まります。始める前に揃えてください。
- ゴム手袋
- 使い捨ての布・キッチンペーパー
- 中性洗剤/重曹/クエン酸
- 古い歯ブラシ(細かい部分に使う)
- ゴミ袋
買い出しで1日つぶれるのが、いちばんもったいない。前の週末に揃えておいてください。
自分でやる場所のコツ
プロに頼まない場所を、少ない手間で片付けるための要点です。
窓・網戸

窓は「曇りの日」がやりやすい。乾く前に拭き取れます
- 曇りの日か、日が当たっていないときにやる。晴天だと洗剤がすぐ乾いて跡が残る
- 網戸を先に。窓を拭いてから網戸を洗うと、汚れが飛んで二度手間になる
- 網戸は外して洗うのが確実だが、外せない場合は濡らした新聞紙を裏に当てて、表からブラシでこする
- 上から下へ。垂れた水が下に流れる
晴れた日にやるものだと思っていました。
気持ちはいいですが、跡が残ります。 洗剤が乾く前に拭き取れないので。曇りの日か、朝夕がやりやすい。
床・フローリング
- ホコリを先に取ってから水拭き。逆にすると泥になって広がる
- 家具の下は、動かせるものだけ動かす。無理に動かして傷をつけないこと
- ワックスをかけるなら、汚れを完全に落としてから。汚れの上からかけると閉じ込めることになる
トイレ
- 上から下へ(タンク → 便器の外側 → 便座 → 便器の中 → 床)
- 床と壁の下部は見落とされがちだが、においの原因になりやすい
- 換気扇のホコリも取る
キッチン(換気扇以外)
- シンクの水垢にはクエン酸系、油汚れには重曹やアルカリ性の洗剤
- コンロの五徳は、つけ置きすると落ちやすい
- 冷蔵庫は中身を減らしてから。年末の買い出し前がやりやすい
冷蔵庫の掃除は買い出しの前に
年末の買い出しで満杯になる前に、中を空けて拭いておきます。おせちや正月の食材を入れる場所も確保できて、一石二鳥です。
浴室(プロに頼まない場合)
- カビには漂白系の洗剤。ただし酸性のものと混ぜない(有毒なガスが出る)
- 目地のカビは、洗剤を塗ってラップで覆うと浸透しやすい
- 天井は、床から手を伸ばさず、柄の長い道具を使う(転倒の危険がある)
洗剤を混ぜない
塩素系(カビ取り剤)と酸性(酸性の洗剤・クエン酸)を混ぜると、有毒なガスが発生します。「まぜるな危険」の表示は必ず守ってください。同じ日に別々の場所で使う場合も、十分に換気してください。
換気は、わたしどもにとっては困りますが、皆さまの安全のほうが大事です。
急に良識的になりました。
全体に共通するコツ
①つけ置きを活用する
こするより、待つほうが楽です。洗剤をかけて数分置いてから作業すると、力が要りません。
五徳、換気扇のフィルター、排水口の部品。これらは作業の最初につけ置きしておいて、他の場所をやっている間に浸けておくと効率的です。
②道具を使い分ける
- 細かい部分 → 古い歯ブラシ
- 広い面 → マイクロファイバーのクロス
- 高い場所 → 柄の長いワイパー
手が届かない場所で無理をしない。転倒や落下の危険があります。
③換気しながらやる
洗剤を使うので、窓を開けるか換気扇を回す。特に浴室やトイレは狭いので、必ず換気してください。
④無理をしない
高い場所、重い物、狭い場所。怪我をしたら大掃除どころではありません。
危ないと感じたら、その場所は諦めるか、人に頼んでください。
年末に怪我をすると、年明けまで響きます。 「そこまでやらなくていい」という判断も、掃除のうちです。
脚立に乗って照明を拭くの、毎年ひやひやしています。
一人でやらないでください。 誰かに押さえてもらうか、柄の長い道具を使う。それだけで危険度が変わります。
費用の考え方
金額の話です。何と比べるかで、判断が変わります。
1箇所で1〜2万円だとして、3箇所ならその合計。正直、迷う金額です。
迷って当然の金額です。だから「毎年3箇所」である必要はありません。年ごとに変えるという考え方があります。
何で金額が決まるか
- 箇所数(セット割があることが多い)
- 場所の種類(換気扇の型、浴室のオプション、エアコンのお掃除機能)
- 汚れの程度(何年ぶりか)
- 時期(12月は繁忙期料金になる業者がある)
- 地域(出張費・駐車場代)
何と比べるか
①自分でやった場合の時間
換気扇を自分でやると、半日〜1日かかります。しかも仕上がりは業者に及ばない。
その半日を何に使うかで考えると、金額の見え方が変わります。
②失敗したときの損失
- 分解して戻せなくなった
- 洗剤で塗装を傷めた
- 高い場所で無理をして怪我をした
やり直しがきかない失敗があります。ここも計算に入れる価値があります。
③設備の寿命
換気扇に油が溜まると、モーターに負担がかかります。浴室のカビは、放置するほど落ちにくくなります。
定期的に手を入れるほうが、結果的に長持ちします。
「掃除代」ではなく「設備の維持費」と考えると、また違って見えます。エアコンも換気扇も、10年使う設備ですから。
年ごとに変えるという方法
毎年3箇所は負担が大きい、という場合。年ごとに場所を変えるやり方があります。
- 1年目:換気扇
- 2年目:浴室
- 3年目:エアコン
こうすると、1年あたりの負担は3分の1になります。それぞれ2〜3年に1回のペースになりますが、汚れの程度によってはそれで十分です。
全部を毎年やる必要はない
汚れ方は場所によって違います。「今年は換気扇、来年は浴室」と回していくだけでも、放置し続けるよりずっといい状態を保てます。
それなら続けられそうです。
続くやり方がいちばん強いんです。1年だけ全部やって、翌年から何もしないより、毎年1箇所ずつのほうが家は保ちます。
費用を抑える工夫
①繁忙期を外す
12月は割増になる業者があります。10〜11月なら通常料金、場合によっては閑散期の割引もあります。
②まとめて頼む
セット割と、出張費が1回で済む効果があります。
③下準備をしておく
作業場所の周りを片付けておくと、作業時間が短くなります。時間制の場合は直接、そうでなくても業者の負担が減るぶん話が早く進みます。
④キャンペーンを見る
閑散期にキャンペーンを出す業者があります。急がないなら、そこを待つという手もあります。
賃貸の場合
賃貸住宅では、設備の清掃費用を誰が負担するかが契約によって違います。
- 備え付けのエアコンや換気扇なら、貸主の負担になる場合がある
- 退去時の原状回復との関係もある
まず管理会社や大家に確認してください。自己判断で頼む前に一報を入れると、費用を負担してもらえることがあります。
聞くだけタダです。特にエアコンは、備え付けなら貸主の設備ですから。
賃貸なので、聞いてみます。
退去予定があるなら
引越しの予定がある場合、退去前の大掃除は不要なことがあります。
退去時にはハウスクリーニング費用が敷金から差し引かれる契約が多く、自分で掃除しても戻る額は変わらないことがあるためです。
契約書を確認してから判断してください。
退去予定なら契約書を先に見る
「退去時クリーニング費用」が定額で決まっている契約なら、自分で念入りに掃除しても金額は変わりません。掃除に費やす時間を、引越しの準備に回したほうが合理的なことがあります。
当日の流れと、準備しておくこと
初めて頼むときは、何が起きるか分からないと不安です。

養生してから作業。始めの様子を見れば、丁寧さが分かります
当日の流れ
①現場の確認|作業する場所と範囲を業者と一緒に確認する。追加料金の話があればここで
②養生|床・壁・周囲をビニールで覆う。ここが雑な業者は要注意
③作業|分解・洗浄・すすぎ・組み立て。1箇所1〜2時間
④確認|仕上がりを一緒に見る。落ちなかった汚れがあれば説明を受ける
⑤支払い|事前に聞いた金額と合っているか確認する
準備しておくこと
①作業場所の周りを空ける
- 換気扇 → コンロ周りの調味料・鍋を片付ける
- 浴室 → シャンプー類・イス・洗面器を出しておく
- エアコン → 下と前方を空ける。水に弱いものを移動
これをやっておくと、作業がスムーズに進みます。 業者がやると、その分の時間がかかります。
②貴重品を片付ける
他人が家に入るので、貴重品は目につかない場所に。これは業者を疑うという話ではなく、お互いのためです。
③駐車場所を確認する
機材を運ぶので、車を停める場所が要ります。有料駐車場しかない場合、その費用の扱いを事前に確認してください。
④在宅する人を決める
立ち会いが必要です。半日は家にいる必要があります。
準備しておくと、作業が早く終わるんですね。
時間制の業者なら直接効きます。 そうでなくても、片付いている家のほうが仕事はしやすい。気持ちよく作業してもらうというのも、大事な要素です。
養生を見れば分かる
作業の最初に養生をします。ここを見れば、その業者の丁寧さがおおよそ分かります。
- 床・壁をしっかり覆っているか
- 周りの物をどけているか
- 靴カバーをしているか
養生が雑な業者は、作業も雑なことが多いというのが経験則です。
最初の10分を見ていてください。 そこで丁寧さが出ます。
落ちない汚れもある
正直に言っておくと、すべての汚れが落ちるわけではありません。
- 長年放置した水垢が、素材に染み込んでいる
- カビが目地の奥まで入り込んでいる
- 塗装が剥がれている
まっとうな業者は、事前に「ここは落ちない可能性があります」と言います。 逆に「全部きれいになります」と断言する業者は、期待値を上げすぎているかもしれません。
「落ちない可能性」を先に言う業者は信頼できる
できないことを事前に伝えるのは、誠実さの表れです。作業後に「落ちませんでした」と言われるより、先に聞いておくほうがずっといい。
期待しすぎないほうがいいんですね。
新品には戻りません。 ただし「自分でやるより確実にきれい」にはなります。そこを期待するぶんには、まず裏切られません。
作業後にやること
①仕上がりを一緒に確認する
その場で見て、気になる点があれば伝えます。帰ってから連絡するより、その場のほうが対応が早いです。
②維持の方法を聞く
「次に汚れるまでにできること」を聞いておくと、次の周期が延びます。
- 換気扇 → 使用後に軽く拭く
- 浴室 → 使用後に換気する、水気を切る
- エアコン → 冷房後に送風で乾かす
換気されると、こちらとしては居心地が悪くなります。ええ、そういうものです。
プロは維持の方法を知っています。 せっかく来てもらったので、聞いておくと得です。
③次回の予定を決める
作業した日に、次回の目安を決めてカレンダーに入れておきます。忘れると、また12月に慌てることになります。
「年末にまとめてやる」をやめる
最後に、根本的な話をします。大掃除を年末にやる必要は、実はありません。
でも、大掃除は年末のものですよね。
慣習としてはそうです。ただ12月は1年でいちばん忙しい月でもある。買い出し、帰省、仕事納め、年賀状。そこに大掃除を重ねるのは、単純に無理があります。
なぜ年末なのか
もともとは「煤払い(すすはらい)」という行事で、新年に年神様を迎えるための準備でした。12月13日ごろに行う習わしがあります。
ただ、現代の家は煤が溜まりません。由来としての意味は残っていても、実務としては12月である必然性は薄いというのが実際のところです。
分散させるという考え方
寒い時期は掃除に向きません。
- 水が冷たい
- 換気で部屋が冷える
- 油汚れが固まっていて落ちにくい
むしろ気温が高い時期のほうが、油汚れは落ちやすい。夏〜秋にやるほうが、作業としては楽です。

寒い時期の水仕事はつらい。暖かいうちにやるほうが楽です
言われてみれば、冬に窓を開けて掃除するのはつらいです。
油汚れは温度が上がると柔らかくなります。 換気扇は、真夏にやると驚くほど楽です。真冬は固まっているので、同じ洗剤でも落ち方が違う。
1年に分散させる例
年末に集中させず、季節ごとに割り振る方法があります。
| 時期 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 窓・網戸、エアコン(冷房前) | 花粉の後。暖かくて水仕事が楽 |
| 夏(7〜8月) | 換気扇、キッチンの油汚れ | 気温が高く、油が落ちやすい |
| 秋(9〜11月) | 浴室、エアコン(暖房前)、不用品の処分 | 業者の閑散期。年末前に片付く |
| 冬(12月) | 仕上げ、床、玄関 | 残っているのは軽い作業だけ |
こうすると、12月にやることは仕上げだけになります。
12月を「仕上げの月」にする
春夏秋に重い場所を片付けておけば、12月は床を拭いて玄関を整えるだけで済みます。年末が静かになり、正月の準備に時間を回せます。
やらない場所を決める
もうひとつ、やらない場所を決めるという考え方もあります。
- 今年は使わなかった部屋 → 換気だけ
- 手が届かない高所 → 無理をしない
- 落ちない汚れ → 諦める
全部を完璧にやろうとすると、どこも中途半端に終わります。 優先順位をつけて、下位のものは切る。
「やらない」と決めるのは、なんとなく罪悪感があります。
決めていないから罪悪感が残るんです。「今年は物置きはやらない」と決めておけば、それは計画通り。やり残しではなく、対象外になります。
完璧を目指さない
大掃除の目的は、気持ちよく新年を迎えることです。家をモデルルームにすることではありません。
- 目につく場所がきれいになっている
- 気になっていた場所が1つ片付いた
- 不要品が減った
これで十分に目的は果たせています。
去年より少しよくなっていれば成功です。毎年少しずつ手を入れていれば、家は保ちます。
……あまり保たれると、こちらとしては困るのですが。
最後まで自分の立場を貫きますね。
よくある失敗と、その避け方
実際に起こりやすい失敗を挙げておきます。

失敗の型は決まっています。知っていれば避けられます
失敗1:12月に電話して、希望日が取れなかった
年内の空きがなく、結局自分でやることになった。
避け方:10〜11月中に予約する。 12月後半の土日を狙うなら、10月中が現実的。
失敗2:全部自分でやろうとして、換気扇で力尽きた
いちばん重い場所に最初に手をつけ、そこで一日が終わった。
避け方:重い1〜3箇所(換気扇・浴室・エアコン)だけ頼む。 迷ったら換気扇から。
失敗3:安いプランを選んだら、ファンの分解が含まれていなかった
「換気扇クリーニング」と書いてあったが、外側の拭き取りだけだった。
避け方:何が含まれるかを聞く。 換気扇ならファンの分解洗浄が本体。
失敗4:当日に追加料金を求められた
「思ったより汚れているので」と、その場で金額が上がった。
避け方:追加料金の条件を事前に確認する。 明記している業者を選ぶ。
作業が始まっていると、断れないですね。
だから事前に聞くんです。 「どういう場合に追加になりますか」と。答えられない業者は避けたほうがいい。
失敗5:掃除しながら「これ要るかな」で止まった
片付けと掃除を混ぜてしまい、どちらも終わらなかった。
避け方:捨てる → 片付ける → 掃除するの順で、日を分ける。
失敗6:粗大ごみの回収が年明けになった
大掃除で出した不要品を、年越しで家に置くことになった。
避け方:11月中に自治体へ申し込む。 年末は申し込みが集中します。
失敗7:下から掃除して二度手間になった
床を拭いた後で棚のホコリを落とし、もう一度床をやることになった。
避け方:上から下へ、奥から手前へ。 順番を守るだけで作業量が減ります。
失敗8:買い出しで半日つぶれた
洗剤や道具が足りず、途中で買いに出た。
避け方:前の週末に道具を揃えておく。
失敗9:賃貸なのに自分で払った
備え付けの設備なのに、管理会社に相談せず自費で頼んだ。
避け方:まず管理会社や大家に確認する。 貸主の負担になる場合があります。
失敗10:退去予定なのに念入りに掃除した
引越し前に大掃除をしたが、退去時クリーニング費用は定額で決まっていた。
避け方:契約書を確認する。 定額なら、掃除しても戻る額は変わらないことがあります。
10の失敗に共通すること
半分は「早く動けば起きなかった」もの、もう半分は「事前に確認すれば防げた」ものです。10〜11月に動いて、何が含まれるかを聞く。この2つで、ほとんどが防げます。
皆さまが12月に慌てるおかげで、わたしどもは毎年なんとかやっております。
今年は秋に動きます。
それがいちばんの対策です。
予約前・当日のチェックリスト
ここまでの内容を、動く直前に確認できる形にまとめます。
- 110〜11月のうちに予約できているか
- 2施工も10〜11月にできないか(汚れは12月と大差ない)
- 312月後半の土日を狙うなら、10月中に動いているか
- 1換気扇・浴室・エアコンのどれを頼むか決めたか
- 2予算に応じた優先順位はついているか(迷ったら換気扇から)
- 3自分でやる場所(窓・床・トイレ・収納)を分けたか
- 4複数箇所ならセット割があるか
- 1追加料金の条件が明記されているか(出張費・駐車場代・繁忙期料金を含む総額)
- 2何が含まれるか(換気扇=ファンの分解/浴室=エプロン内部/エアコン=型番)
- 3損害賠償保険に加入しているか
- 4日程変更・キャンセルはいつまで無料か
- 5落ちない可能性のある汚れについて説明があったか
- 1作業場所の周りを空けたか
- 2貴重品を片付けたか
- 3駐車場所を確認したか
- 4立ち会える人と時間を確保したか(1箇所1〜2時間)
- 111月から始めて、日を分けているか
- 2「捨てる→片付ける→掃除する」の順になっているか
- 3粗大ごみを11月中に申し込んだか
- 4道具を前もって揃えたか
- 1管理会社・大家に確認したか(貸主の負担になる場合がある)
- 2退去予定があるなら、契約書のクリーニング費用の条項を見たか
賃貸の確認と、粗大ごみの申し込み。この2つは今すぐできますね。
どちらも早いほど得です。今日やってしまってください。
まとめ:ハウスクリーニングの頼みどきカレンダー
長くなったので、要点だけをもう一度まとめます。
時期
- 12月に施工したいなら、10〜11月中に予約する
- できれば施工そのものも10〜11月に。汚れは12月と大差ない
- 12月は繁忙期料金になる業者がある。後半の土日から埋まる
- エアコンは秋にやると理にかなっている(夏の汚れを落として暖房前に整える)
切り分け
- 頼むべきは換気扇・浴室・エアコン内部の3箇所
- 自分でやるのは窓・床・トイレ・収納の整理
- 収納の整理は業者に頼めない(何を残すかは本人にしか決められない)
- 1箇所だけなら換気扇から。いちばん重く、仕上がりの差が出る
業者選び
- 追加料金の条件が明記されているか(総額で確認)
- 何が含まれるかを聞く(換気扇=ファンの分解が本体)
- 損害賠償保険・キャンセル規定・口コミ(作業の丁寧さについて書かれたもの)
- 即決を迫る業者は避ける。「家族と相談します」で十分
自分でやる分
- 上から下へ、奥から手前へ、乾いた汚れ→濡れた汚れ
- 11月から始めて日を分ける。1日1〜2箇所
- 捨てる→片付ける→掃除するは別の作業。混ぜない
- 粗大ごみは11月中に申し込む(年末は回収が年明けになる)
費用
- 毎年3箇所である必要はない。年ごとに場所を変えるやり方がある
- 繁忙期を外す・まとめて頼む・下準備をしておく
- 賃貸なら管理会社に確認(貸主の負担になる場合がある)
- 退去予定があるなら契約書を先に見る(定額なら自分で掃除しても変わらない)
「重い3箇所だけ頼む」と「11月から始める」。この2つを持って帰ります。
それで十分です。全部やろうとするから終わらない。 重いところを人に渡して、残りを少しずつ。それで年末は静かになります。
……来年もお会いしましょう。
会わない努力をします。
年末に向けた準備として、エアコンクリーニングの頼みどきと不用品回収の頼みどきもあわせてどうぞ。12月に必要になるものは12月に読むべき記事の一覧にまとめています。



