贈り物に掛ける紙のことで、毎回同じところで止まります。「蝶結びと結び切り、どっちだったか」です。
結論から言うと、判断するのは3つだけです。結び方(何度あってよいことか、一度きりか)、表書き(何の名目か)、名前(誰から贈るのか)。この3つが決まれば、あとは自動的に決まります。色や本数は、この3つに付いてきます。
そして実務的にいちばん効くのは、店で「〇〇のお祝いです」と伝えれば、店が用意してくれるということです。自分で選ばなくてよい場面はかなり多く、覚えるべきは「何と伝えるか」だけになります。
この記事では、の使い分け、の言葉、名前の書き方、内のしと外のしの違い、そして間違えると気まずいところを、働きながら家のことを回しているサキさんとハル先輩の会話で整理していきます。

掛け紙は「結び方・表書き・名前」の3つで決まります
こんな方に読んでほしい記事です
蝶結びと結び切りの使い分けが、毎回あやふやになる
「のし」と「」と「水引」の違いがよく分かっていない
を贈るとき、誰の名前で出すのか迷った
弔事のときに慌てて調べて、間に合わせで済ませてしまった
この記事の前提
掛け紙の作法には地域差と家ごとの慣習があります。特に弔事は地域によって水引の色が変わります。この記事は全国的に広く使われている形の整理です。迷ったときは、その土地の年長の方か、贈答品を扱う店に聞くのが確実です。
出産祝いをいただいた方へお返しを贈るんですが、紙の種類でつまずいています。
結び方から決めましょう。 出産は何度あってもよいことなので、蝶結びです。ここが決まれば、あとは表書きと名前だけです。
何度あってもよいこと、というのは。
出産、入学、就職、お中元、お歳暮。繰り返しあってほしいことです。蝶結びはほどいて何度でも結び直せるので、それを表しています。
逆に、一度きりのものは。
結婚と、病気の快気祝い、それに弔事です。二度あってほしくないことなので、ほどけない結び切りを使います。
意味を聞くと、忘れなさそうです。
形が意味そのものなので、覚えるというより、その場で考えれば出てきます。丸暗記しなくて大丈夫です。
結論:決めるのは3つだけ
掛け紙を選ぶとき、判断するのは次の3つです。
①結び方|何度あってよいことか(蝶結び)/一度きりか(結び切り)
②表書き|何の名目で贈るのか。「御祝」「内祝」「御中元」など
③名前|誰から贈るのか。個人か、夫婦か、連名か
色・本数・のしの有無は、この3つが決まれば自動的に決まります。最初から全部を考えようとするから難しく感じるだけです。
| 場面 | 結び方 | 表書きの例 | のし |
|---|---|---|---|
| 出産・入学・就職・新築 | 蝶結び | 御祝 / 内祝 | あり |
| お中元・お歳暮・お礼 | 蝶結び | 御中元 / 御歳暮 / 御礼 | あり |
| 結婚 | 結び切り(10本) | 寿 / 御結婚御祝 | あり |
| 快気祝い | 結び切り | 快気祝 / 御見舞御礼 | あり |
| 弔事・法要 | 結び切り(黒白など) | 御霊前 / 御仏前 / 志 | なし |
| 病気のお見舞い | 結び切り | 御見舞 | なし |
言葉の整理
まぎらわしい言葉が3つあるので、ここで分けておきます。
| 言葉 | 何を指すか |
|---|---|
| のし(熨斗) | 掛け紙の右上にある細長い飾り。紙そのものではない |
| のし紙 | のしと水引が印刷された紙。掛け紙とも言う |
| 水引 | 中央の紐の飾り。結び方と色で意味が変わる |

右上のこの飾りだけが「のし」です
つまり「のし紙をください」と言うとき、実際には掛け紙全体のことを指しています。日常ではこれで通じるので問題ありませんが、弔事のときに「のし紙」と言うと少し具合が悪くなります。理由は後の章で説明します。
「のし」があの飾りのことだったんですね。紙全体だと思っていました。
ほとんどの方がそう思っています。普段はそれで困りません。 ただ、この違いを知っていると「弔事にのしを付けない」という言い方が理解できるようになります。
水引:ほどけるか、ほどけないか
水引の結び方は、「ほどける結び方」か「ほどけない結び方」かの2種類だと考えると分かりやすくなります。

紅白の水引。上が蝶結び、下が結び切りの系統です
| 結び方 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 蝶結び(花結び) | ほどいて何度でも結び直せる=繰り返してよいこと | 出産・入学・就職・新築・長寿祝い・お中元・お歳暮・お礼 |
| 結び切り(真結び) | 固く結んでほどけない=一度きりであってほしいこと | 結婚・快気祝い・お見舞い・弔事 |
| あわじ結び(あわび結び) | 結び切りの一種。引っ張るほど固くなる | 結婚・弔事。結び切りと同じ扱い |
迷ったときの1問
そのお祝いは、また起きてほしいことですか?
はい(出産・入学・お中元など)
蝶結び。 何度あってもよい
いいえ(結婚・快気・弔事)
結び切り。 二度は起きてほしくない
結婚だけ、少し注意が必要です。「何度あってもよい」わけではないので結び切りを使うのですが、本数も普通の5本ではなく10本を使います。
本数と色
| 項目 | 決まり | 補足 |
|---|---|---|
| 本数 | 奇数が基本。 3本・5本・7本 | 5本が最も一般的。迷ったら5本 |
| 結婚 | 10本 | 5本×2で「両家が結ばれる」の意 |
| 慶事の色 | 紅白・金銀 | 金銀は結婚など格の高い場面 |
| 弔事の色 | 黒白が全国的に一般的 | 関西や西日本では黄白を使う地域がある |
| 神式・仏式共通 | 双銀(銀一色)も使われる | 高額の香典に使われることが多い |
弔事の色は地域で変わる
弔事の水引は、関東を中心に黒白、関西を中心に黄白という違いがよく知られています。ただし地域の中でも家や宗派で違うことがあります。その土地の葬儀社か、贈答品店で聞くのが確実です。よそから送る場合は、送り先の地域に合わせます。
本数まで意味があったんですね。数えたことがありません。
普段は5本のものを選んでおけば足ります。 数を気にするのは結婚のときだけです。10本のものは「結婚用」として売られているので、選び間違えることはあまりありません。
弔事で色が地域によって違うのは知りませんでした。
ここは知らずに送って驚かれることがある場所です。遠方へ送るときは、その土地に合わせると覚えておいてください。
表書き:場面ごとの言葉
表書きは水引の上、中央に書きます。名前より少し大きめに書くのが一般的です。

表書きが上、名前が下。この位置関係は変わりません
季節の贈り物
| 場面 | 表書き | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 年始の挨拶 | 御年賀 | 松の内(地域により1月7日または15日まで) |
| 年始が過ぎたら | 寒中御見舞 | 立春ごろまで |
| 夏の贈り物 | 御中元 | 地域差が大きい。関東は7月、関西は8月が中心 |
| 中元が過ぎたら | 暑中御見舞 → 残暑御見舞 | 立秋を境に言葉が変わる |
| 年末の贈り物 | 御歳暮 | 12月上旬から20日ごろまで |
| 歳暮が過ぎたら | 御年賀 → 寒中御見舞 | 年をまたぐ |
時期を外したときは表書きを変える、というのがこの分野の作法です。「遅れたから贈らない」ではなく、名目を変えて贈ります。
お歳暮の時期と相場についてはお歳暮はいつまでに贈る?にまとめています。
お祝いとお返し
| 場面 | 贈るとき | お返し(内祝い) |
|---|---|---|
| 出産 | 御祝 / 御出産御祝 | 内祝(赤ちゃんの名前で) |
| 結婚 | 寿 / 御結婚御祝 | 内祝(新姓、または両家の名) |
| 入学・就職 | 御祝 / 御入学御祝 | お返しは不要とされることが多い |
| 新築 | 御祝 / 御新築御祝 | 内祝 |
| 長寿 | 御祝 / 寿 / 祝 還暦 | 内祝 |
| 病気見舞い | 御見舞(のしなし) | 快気祝(結び切り) |
| 敬老の日 | 敬老の日 / 感謝 | 不要 |
「内祝」はもともとお返しではない
内祝いは本来、お祝い事があった家が、喜びを分けるために配るものでした。今は「いただいたお祝いへのお返し」として使われることがほとんどですが、由来を知っておくと、いただいていない方へ贈るときにも迷わなくなります。
その他
| 場面 | 表書き |
|---|---|
| お礼全般 | 御礼 / 謝礼 |
| 目下の方へのお礼 | 寸志 |
| 香典返し | 志(全国的に使える)/「満中陰志」(関西) |
| 法要のお供え | 御供 / 御仏前 |
| 引っ越しの挨拶 | 御挨拶 / 粗品 |
お中元の時期が関東と関西で違うんですね。
送り先に合わせるのが基本です。ただ近年は全国的に早まる傾向もあるので、「相手の地域の一般的な時期」で送っておけば失礼にはなりません。
過ぎてしまったときはどうすれば。
表書きを変えるだけです。 御中元の時期を過ぎたら「」、を過ぎたら「」。品物は同じで構いません。
名前の書き方
名前は水引の下、中央に書きます。表書きより少し小さくするのが目安です。
| 誰から | 書き方 |
|---|---|
| 個人 | フルネーム。名字だけでも可(親しい間柄) |
| 夫婦 | 中央に夫のフルネーム、その左に妻の名(名字は書かない) |
| 連名(3名まで) | 右から目上順に並べる。同格なら五十音順 |
| 連名(4名以上) | 代表者のフルネーム+左に小さく「外一同」 |
| 会社から | 中央に代表者名、その右に小さく会社名 |
| 部署から | 「〇〇部一同」 |
| 子どもから | 子どもの名前。ふりがなを付けると親切 |
出産内祝いは赤ちゃんの名前
出産の内祝いは、贈り主を赤ちゃんの名前にします。これは「子が生まれました」というお知らせを兼ねているためです。
読み方が難しい名前が多いので、名前の右上か下に小さくふりがなを入れておくと親切です。相手が名前を覚えられます。
名字は書くのか
出産内祝いでは、名前だけ(下の名前)を書くのが一般的です。同じ名字の親族が多い場合など、名字を入れたほうが分かりやすい事情があるなら入れて構いません。決まりというより、伝わりやすさで決めてください。
連名の並び順
右が上位です。これは縦書きの日本語で、右から左へ読むためです。
①目上・年長が右 | 職位や年齢が上の人を右端に
②同格なら五十音順 | 上下が決められないときはこれで並べる
③夫婦は夫が右 | 妻は名だけを左に書く
④4名以上は「外一同」| 全員の名は別紙に書いて中へ入れる
4名以上を無理に並べない
4名以上を1枚に書くと字が小さくなり、読めなくなります。代表者+「外一同」にして、全員の氏名は別紙に書いて品物に同封してください。相手が誰にお礼を言えばよいか分かるようにするのが目的です。
職場の3人でお祝いを贈るんですが、順番で悩みます。
職位が上の方を右にしてください。同じ立場なら五十音順で構いません。困ったときの逃げ道として「〇〇課一同」にする手もあります。
それは楽ですね。
ただし誰から贈られたか分からなくなるので、別紙に名前を入れておくのは同じです。お返しをする側のことを考えると、そこは省かないほうがいいです。
内のしと外のし
同じ紙でも、包装紙の内側に掛けるか、外側に掛けるかで呼び方と印象が変わります。

手渡すなら外のし。渡した瞬間に名目が見えます
| 内のし | 外のし | |
|---|---|---|
| 掛ける場所 | 品物に掛けてから包装 | 包装した上から掛ける |
| 名目の見え方 | 開けるまで分からない | 渡した瞬間に分かる |
| 向いている場面 | 配送・控えめに贈りたいとき | 手渡し・お祝いをはっきり伝えたいとき |
| よく使われる例 | 内祝い全般 | 結婚祝い・出産祝いの手渡し |
| 弱点 | 名目が伝わりにくい | 配送中に擦れて破れることがある |
覚え方はこれで足ります。
その品物は、手渡しますか?
手渡す
外のし。 渡した瞬間に「何のお祝いか」が伝わる
配送する
内のし。 輸送で破れず、控えめな印象になる
内祝いは内のしが多い
内祝い(お返し)は内のしが選ばれることが多くあります。「お返しです」と大きく掲げるより、控えめにしたほうが収まりがよいためです。
短冊のし
紙の全面ではなく、細い短冊状の紙を貼る形式もあります。簡略ですが失礼にはあたらず、カジュアルな贈り物や、包装の見た目を活かしたいときに使われます。店で「短冊で」と言えば通じます。
通販で贈るときに「内のし・外のし」を選ばされて、いつも適当に選んでいました。
通販なら内のしで間違いありません。 配送中に紙が擦れないのと、受け取った側が玄関で開ける必要がないという実用の理由もあります。
実用の理由なんですね。
もともとはそうです。作法として決まっているというより、そうしたほうが具合がいいから広まったものが多いんです。だから絶対の決まりではありません。
「のし」を付けない場面
右上の細長い飾り、あれが「のし」です。付けない場面が3つあります。
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 弔事・法要 | のしは慶事の印。弔事には付けない |
| お見舞い | 病気や災害は喜ばしいことではない |
| 生もの(魚・肉)を贈るとき | のしはもともと生ものの代わり。重ねる必要がない |
のしは何の代わりか
のしの由来は熨斗鮑(のしあわび)です。鮑を薄く伸ばして干したもので、古くは神への供え物や、贈答の際に添える縁起物として使われていました。
つまり「生ものを添えました」という印です。だから、魚や肉そのものを贈るときには付けません。すでに生ものを贈っているのに、生ものの印を重ねることになるためです。
実際には気にされないことも多い
生ものにのしを付けない、という慣習は今も残っていますが、知らない方も多く、店によっては普通に付けます。 気にする方に贈るとき以外は、実害のある間違いにはなりません。理由を知っておくと、店で「のしはどうしますか」と聞かれたときに迷わなくなります。
弔事の掛け紙

弔事は結び切り。のしは付けません
弔事では次のようになります。
| 項目 | 弔事の場合 |
|---|---|
| のし | 付けない |
| 水引 | 結び切り(黒白・黄白・双銀。地域による) |
| 表書き | 御霊前 / 御仏前 / 御供 / 志 |
| 呼び方 | 「のし紙」ではなく「掛け紙」と言うのが正確 |
| 墨の濃さ | 通夜・葬儀は薄墨。法要は濃墨が一般的 |
「御霊前」と「御仏前」を取り違えない
一般に、四十九日までが「御霊前」、それ以降が「御仏前」とされます。ただし浄土真宗では亡くなってすぐ仏になるという教えのため、最初から「御仏前」を使います。宗派が分からないときは「御香典」「御供」にしておくと、どの宗派でも問題になりません。
はがきを出す側の段取りは喪中はがきはいつ出す?にまとめています。
宗派が分からないことのほうが多いです。
ですから「御香典」か「御供」を覚えておいてください。この2つはどの宗派でも通ります。迷ったときの逃げ道として、かなり使えます。
薄墨は、どういう意味なんでしょう。
「涙で墨が薄まった」「急いで来たので墨をする時間がなかった」という気持ちを表すものとされています。ですから通夜・葬儀のときに使います。四十九日以降の法要は、前もって準備するものなので濃い墨で構いません。
現金を包むとき:ご祝儀袋と不祝儀袋
品物ではなく現金を贈るときは、掛け紙ではなく袋を使います。考え方は同じで、結び方・表書き・名前の3つで決まります。

袋も考え方は同じ。結び方・表書き・名前の3つです
袋は金額に合わせる
これが品物と違うところです。袋の格と、中に入れる金額を釣り合わせます。
| 金額の目安 | 袋 |
|---|---|
| 少額(〜1万円程度) | 水引が印刷された簡素なもの |
| 中程度(1〜3万円程度) | 実物の水引が掛かったもの |
| 高額(5万円以上) | 水引が太く、和紙が厚いもの |
立派すぎる袋に少額を入れない
豪華な袋に3,000円を入れると、開けたときに気まずくなります。袋の値段と中身は釣り合わせるのが作法です。売り場に「1万円まで」「3万円まで」といった目安が書かれていることが多いので、それに従えば外しません。
お札の向き
| 場面 | お札 | 向き |
|---|---|---|
| 慶事 | 新札を用意する | 肖像が表・上に来るように入れる |
| 弔事 | 新札を避ける(用意していたと取られる) | 肖像が裏・下に来るように入れる |
弔事で新札しかないときは、一度折り目を付けてから入れます。逆に慶事で新札が用意できないときは、できるだけきれいなお札を選びます。
中袋には金額と住所を書く
中袋の表に金額、裏に住所と氏名を書きます。金額は「金参萬円」のように旧字体の漢数字で書くのが正式ですが、普通の漢数字でも問題にされることはほとんどありません。 大事なのは、受け取った側が誰からいくら受け取ったか分かることです。
上包みの折り方
袋の裏の折り返しは、慶事と弔事で上下が逆になります。
| 場面 | 折り方 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 慶事 | 下の折り返しが上になるように重ねる | 「幸せを受け止める」向き |
| 弔事 | 上の折り返しが上になるように重ねる | 「悲しみを流す」向き |
ここは意外と見られている
上包みの折り方は、年配の方ほど見ています。弔事で慶事の折り方をしていると気づかれます。 迷ったら「弔事は下向きに流す」と覚えてください。
折り方まであるんですね。買ったときの形のまま使っていました。
売られている状態は慶事の折り方になっていることが多いので、慶事ならそのままで合っています。弔事のときだけ折り直す、と覚えておけば足ります。
弔事用の袋は、最初から弔事の折り方になっていますか。
なっていることが多いです。ただ慶弔両用として売られているものは自分で折ることになります。買うときに用途を伝えれば、店が確認してくれます。
書く道具と、字に自信がないとき

筆ペン1本あれば足ります。薄墨タイプは弔事用に別で
| 道具 | 使えるか | 補足 |
|---|---|---|
| 筆・筆ペン | これが基本 | 1本用意しておくと困らない |
| サインペン(太字) | 使えることが多い | 略式。親しい間柄なら問題ない |
| ボールペン・万年筆 | 避ける | 細すぎて格好がつかない |
| 鉛筆 | 使わない | — |
| 印刷 | 問題ない | 店に頼めば印刷してくれる |
弔事用の薄墨の筆ペンは別売りです。慶弔両用(両端が濃墨と薄墨)のものもあるので、1本持っておくと急なときに困りません。
字に自信がないとき
無理に手書きにする必要はありません。店に頼めば、たいてい書いてくれます。
- 1何のお祝い・何の場面か(「出産のお返しです」など)
- 2表書きに入れる言葉(決まっていなければ相談してよい)
- 3名前(漢字を正確に。難しい字はメモを渡す)
- 4内のしか外のしか(手渡しか配送かを伝えれば決めてくれる)
- 5配送するかどうか
「出産のお返しです」と伝えるだけで、結び方・表書き・のしの有無は店が決めてくれます。 この記事の内容を全部覚えなくても、伝え方さえ知っていれば実務は回ります。
通販の場合
通販でも、注文時に「のし」の指定欄があることがほとんどです。表書きと名前を入力する形になっているので、この記事の表を見ながら選べば足ります。 迷ったら、内祝いは「内祝」+贈り主の名字、で外しません。
全部覚えるのは無理だと思っていました。
覚える必要はありません。「何の場面か」を正確に伝えられれば、あとは店がやります。 覚えておくとよいのは、蝶結びと結び切りの違いだけです。
それなら覚えられます。
その1つだけで、間違えたときに気まずくなる場面はほぼ避けられます。 残りは、必要になったときにこの表を見れば済みます。
よくある取り違え

弔事は特に、あとから直せません
| 取り違え | 何が起きるか | 正しくは |
|---|---|---|
| 結婚祝いに蝶結び | 「何度でも」の意味になる | 結び切り(10本) |
| 快気祝いに蝶結び | 「また病気を」の意味になる | 結び切り |
| 弔事にのし付きの紙 | 慶事の印が付いてしまう | のしなしの掛け紙 |
| お見舞いに紅白の蝶結び | 病気を祝う形になる | 結び切り、または白封筒 |
| 出産内祝いを親の名前で | お知らせの意味が消える | 赤ちゃんの名前 |
| 弔事に新札 | 「用意していた」と取られる | 折り目を付ける |
| 慶事に古いお札 | 準備不足に見える | 新札 |
気にしなくてよいこと
一方で、気にしすぎなくてよいところもあります。
| よく心配されること | 実際 |
|---|---|
| 名前を名字だけにした | 親しい間柄なら問題ない |
| 手書きではなく印刷 | まったく問題ない |
| 短冊のしにした | 略式だが失礼ではない |
| 中袋の金額を普通の漢数字で書いた | ほぼ問題にされない |
| 内のしか外のしかを間違えた | 気づかれないことが多い |
直せるものと、直せないもの
上の表のうち、あとから取り返しにくいのは弔事のものです。慶事の細かい違いは、相手も気づかないか、気づいても笑い話になります。優先して覚えるなら弔事から、というのがこの分野の実際です。
全部同じくらい大事だと思っていました。
違います。弔事は場面が重いぶん、間違いも重く受け取られます。 逆にお祝いのほうは、多少ずれても「気持ちが伝わればよい」で済むことがほとんどです。
弔事だけしっかり押さえておけばいいんですね。
そうです。結び切り・のしなし・薄墨・新札を避ける。 この4つだけ覚えておけば、急な連絡があっても慌てません。
贈る前のチェック
- 1何度あってよいことか。蝶結びか結び切りか決めたか
- 2結婚なら10本の水引になっているか
- 3弔事・お見舞いなら、のしを外したか
- 4弔事なら、送り先の地域の水引の色を確認したか
- 1表書きの言葉は場面に合っているか
- 2季節の贈り物なら、時期に合った表書きか(御中元/暑中御見舞など)
- 3名前は誰の名で出すか決めたか(出産内祝いは赤ちゃんの名前)
- 4連名は右から目上順か。4名以上なら「外一同」+別紙
- 5難しい漢字は正確か。ふりがなが要るか
- 1袋の格と金額が釣り合っているか
- 2慶事は新札か。弔事は新札を避けたか
- 3お札の向きは合っているか
- 4上包みの折り返しは、慶事と弔事で正しい向きか
- 5中袋に金額・住所・氏名を書いたか
- 1手渡しなら外のし、配送なら内のしにしたか
- 2配送の場合、届く日時を指定したか
- 3相手が受け取れる日か(生ものは特に)
全部覚えなくてよい
ここまで読んで「多い」と感じたなら、蝶結びと結び切りの違いだけ持ち帰ってください。残りは、必要になったときにこのページを開けば足ります。実務は、店に場面を伝えれば回ります。
まとめ:覚えるのは「ほどけるか、ほどけないか」
要点をもう一度まとめます。
決めるのは3つだけ
- 結び方 — 何度あってよいことか(蝶結び)/一度きりか(結び切り)
- 表書き — 何の名目で贈るのか
- 名前 — 誰から贈るのか
色・本数・のしの有無は、この3つに付いてきます。
結び方
- 蝶結び — 出産・入学・就職・新築・長寿・お中元・お歳暮・お礼
- 結び切り — 結婚・快気祝い・お見舞い・弔事
- 結婚だけ10本。 それ以外は5本で足りる
- 弔事の水引の色は地域で変わる(黒白/黄白)。送り先に合わせる
のしを付けない場面
- 弔事・法要
- お見舞い
- 生もの(魚・肉)を贈るとき。のしはもともと生ものの代わり
名前
- 夫婦は夫のフルネーム+左に妻の名
- 連名は右から目上順。4名以上は代表者+「外一同」+別紙
- 出産内祝いは赤ちゃんの名前。ふりがなを添える
内のしと外のし
- 手渡し → 外のし(渡した瞬間に名目が伝わる)
- 配送 → 内のし(擦れず、控えめ)
弔事だけは押さえておく
- 結び切り/のしなし/薄墨(通夜・葬儀)/新札を避ける
- 宗派が分からないときは「御香典」「御供」で通る

結び方が意味そのものです。丸暗記は要りません
「ほどける=また起きてよい」「ほどけない=一度きり」。これだけ覚えて帰ります。
それで十分です。形が意味を表しているので、思い出せなくてもその場で考えれば出てきます。 作法というより、しくみなんです。
覚えるものだと思って身構えていました。
身構える必要はありません。分からなければ店で聞く。 それが失礼にあたることは一切ありませんから。
季節ごとの贈り物については、それぞれの記事にまとめています。
- お歳暮はいつまでに贈る? — 時期・相場・品物選び
- 敬老の日はいつ? — 何歳から贈るか、何を選ぶか
- 喪中はがきはいつ出す? — 弔事があった年の年末
- 年賀状はいつ準備する? — と投函期限