お歳暮は「1年お世話になった相手に、年の暮れに感謝を伝える」贈り物です。ルールが多そうに見えますが、実際に押さえるべきことは「いつ贈るか」と「何を贈るか」の2つにほぼ集約されます。
結論から言うと、届けるのは12月上旬〜20日頃まで、手配は10〜11月の早割期間が有利です。
この記事では、時期・相場・品物選び・最低限のマナーを、家族の行事を預かるカオリさんとハル先輩の会話で整理します。

押さえるのは「いつ」と「何を」の2つ
こんな方に読んでほしい記事です
お歳暮を贈りたいが、いつまでに届けばいいのか分からない
相場が分からず、高すぎても安すぎても失礼な気がして決められない
のしの書き方や、のときの扱いに自信がない
毎年同じものを贈っていて、そろそろ変えたほうがいいのか迷っている
この記事の前提
マナーには地域差・家ごとの慣習があります。この記事は一般的な整理です。迷う場合は、家族や職場の慣例に合わせるのが確実です。
義理の両親にお歳暮を贈るんですが、毎年いつ手配すればいいか迷います。
届けるのは12月上旬から20日頃まで。 手配はもっと早く、10〜11月です。おせちと同じで、があります。
お歳暮にも早割があるんですか。
あります。年末に集中する商売はたいてい同じ構造です。早く注文が入るほど作る側が楽なので、その分を割引にしている。
12月に入ってから考えていました。
それだと通常価格ですし、人気の品は品切れです。しかも年末は配送が混む。早く動くと全部が有利になります。順に見ていきましょう。
いつ贈るか:届けるのは12月20日頃まで
まず時期です。ここがいちばん大事な要素になります。
10月〜11月手配の時期(早割・品揃えが有利)
12月12月上旬〜20日頃に到着させる
1月間に合わなければ御年賀・寒中御見舞へ

届けるのは12月20日頃まで。手配は10〜11月
到着の目安は12月20日頃まで
12月上旬から20日頃までに相手へ届くようにするのが一般的です。
なぜ20日頃かというと、
- 年末は不在が増える(帰省・旅行)
- 生鮮品は受け取りの負担が大きい(年末の冷蔵庫は埋まっている)
- 配送が最も混む時期にかかる
「年内に届けばいい」と考えて25日以降に届くと、相手に負担をかけることになります。
「早めに届く」ほうが親切
12月に入ってすぐ届けば、相手は落ち着いて受け取れます。年末ぎりぎりは、相手も忙しく、冷蔵庫も埋まっています。早めが親切です。
年末に届けたほうが「年の締めくくり」らしい気がしていました。
気持ちとしてはそうですが、受け取る側の都合を考えると早いほうがいいんです。特に生鮮品は、置き場所の問題があります。
地域による違い
到着の目安には地域差があります。
- 関東:12月初旬〜12月20日頃
- 関西・その他の地域:12月13日頃〜12月20日頃
ただし現在は全国的に12月上旬から贈る形が一般的になっています。迷ったら12月上旬に届くように手配すれば、どの地域でも問題ありません。
20日を過ぎてしまったら
年内に間に合わない場合、表書きを変えて贈ります。
| 時期 | 表書き | 備考 |
|---|---|---|
| 12月上旬〜20日頃 | 御歳暮 | 基本の形 |
| 年明け〜1月7日頃 | 御年賀 | 新年の挨拶。 年内に届くなら御歳暮のまま |
| 1月8日頃〜2月4日頃 | 寒中御見舞 | 立春まで |
| 相手が喪中の場合 | 寒中御見舞 | 御年賀は避ける |
表書きを変えれば、遅れても大丈夫なんですね。
形を変えれば失礼になりません。 無理に「御歳暮」で年末に押し込むより、年明けに御年賀として贈るほうが丁寧なこともあります。
手配は10〜11月に
届ける時期と、手配する時期は別です。
多くの百貨店・通販が10月頃から受付を始め、早割を設定しています。
- 早割で価格が下がる
- 人気の品を選べる(年末には品切れが出る)
- 配送日を指定しやすい(年末は指定が難しくなる)
10月に注文して、12月上旬にお届け。この形が取れる店が多いので、そうしてください。
10月に注文して、12月に届けてもらえるんですね。
配送日を指定できるのが、ギフトの通販の便利なところです。おせちと同じ仕組みです。
逆算のスケジュール
10月|贈る相手を決める。予算を決める。早割で注文する
11月|まだなら注文する。喪中はがきが届いたら対応を考える
12月上旬|到着。相手から連絡があれば返事をする
12月20日頃|ここが到着の期限。過ぎるなら御年賀に切り替える

年末は配送が混みます。早めの到着が確実です
相場と、贈る相手の決め方
「いくらのものを贈るか」は、いちばん悩むところです。

金額より「毎年続けられるか」で決めます
相場の目安
一般的な目安として、
- 3,000円〜5,000円:もっとも一般的な範囲
- 5,000円〜10,000円:特にお世話になった相手
ただし、金額よりも「続けられるか」のほうが大事です。
続けられるか、というのは。
お歳暮は毎年続けるのが基本なんです。一度贈ると、翌年もその翌年も続く。だから最初の金額が、その後の基準になります。
最初に高いものを贈ると、下げにくいということですか。
下げると「何かあったのか」と思われます。 だから無理なく続けられる金額で始めるのが賢明です。
最初の金額が、その後の基準になる
お歳暮は毎年続けるもの。1年目に見栄を張ると、翌年から下げにくくなります。「これなら毎年出せる」という金額で始めてください。
金額を上げるとき・下げるとき
上げる
- 相手に特別な世話になった年
- 昇進・独立など、自分の状況が変わったとき
下げる
難しいですが、やめるという選択はあります。次の章で扱います。
誰に贈るか
贈る相手の典型
- 義理の両親・親族
- 仲人・恩師
- 仕事の取引先
- 習い事の先生
注意が要る相手
- 勤務先の上司:会社によっては禁止されていることがあります。就業規則を確認してください
- 公務員:立場によっては受け取れない場合があります
会社の規則を確認する
取引先や上司への贈答を禁止している会社があります。良かれと思って贈ったことで、相手を困らせることがあります。迷ったら贈る前に確認してください。
夫の上司に贈ろうと思っていましたが、確認が要りますね。
最近は禁止している会社が増えています。 受け取った側が返送する手間まで生むので、先に聞くのがいちばん親切です。
相手が複数の家庭にまたがるとき
義理の実家と自分の実家、両方に贈る場合。
- 金額を揃えるのが無難です
- 品物は変えても構いません(好みが違うため)
- どちらか片方だけ、という形は避けるほうが穏やかです
片方だけだと角が立ちます。 贈るなら両方、贈らないなら両方。揃えるのが平和です。
家族と相談する
お歳暮は、家の付き合いの話でもあります。
- 夫婦のどちらの名前で贈るか(連名にすることが多い)
- 実家の慣習はどうなっているか
- これまで誰が手配していたか
特に結婚後の最初の年は、両家の慣習を確認してから決めると失敗がありません。
義母に聞いてみるのがいいですね。
いちばん確実です。 「これまでどうされていましたか」と聞けば、そのまま踏襲できます。慣習は家によって違うので、自分で決めるより聞くほうが早い。
何を贈るか:相手の家族構成で決める
品物選びは、相手の顔を思い浮かべるところから始まります。

何を贈るかは「誰が食べるか」で決まります
定番の品と、向いている相手
①ハム・肉類
年末年始に人が集まる家庭で重宝します。家族が多い相手向き。
②海鮮(かに・数の子・いくらなど)
年末年始のごちそうとして喜ばれます。冷凍で届くものが多いので、冷凍庫の空きが必要な点は注意。
③ビール・お酒

お酒は「飲む人がいるか」を確認してから
飲む人がいるかが前提です。飲まない家庭に贈ると、置き場所に困らせます。
④お菓子・洋菓子

お菓子は日持ちと個包装を確認します
子どもがいる家庭に向きます。個包装のものだと分けやすく、日持ちもします。
⑤洗剤・タオルなどの日用品
必ず使うので無駄になりません。ただし「実用的すぎる」と感じる人もいます。相手との関係次第です。
⑥カタログギフト
相手が選べるのが最大の利点。好みが分からない相手に向きます。ただし「手抜き」と感じる人もいるため、目上の方には注意が要ります。
家族構成で選ぶ
| 相手 | 向いている品 | 避けたほうがいい品 |
|---|---|---|
| 夫婦2人・高齢 | 少量で質のよいもの、日用品 | 大容量、量の多い生鮮 |
| 子どもがいる家庭 | お菓子、ジュース、ハム | 酒類(飲む人がいなければ) |
| 大家族 | ハム、肉、大容量の日用品 | 少量の高級品 |
| 一人暮らし | 日持ちするもの、少量 | 大容量、生鮮 |
義父母は2人暮らしなので、量が多いと困りますね。
高齢のご夫婦に大容量は負担です。「食べきれない」「冷凍庫に入らない」となる。少量でも質のいいもののほうが喜ばれます。
避けたほうがいいもの
①相手が食べられないもの
アレルギー、宗教上の理由、健康上の制限。分かる範囲で配慮してください。
②大量の生鮮品
年末の冷蔵庫は埋まっています。受け取る側の保管を考えてください。
③縁起の悪いとされるもの
- 刃物(縁を切る)
- 櫛(苦・死)
- ハンカチ(手巾=てぎれ)
ただし、これらは気にしない人も多いので、相手次第です。
④現金・商品券
目上の方への現金・商品券は、失礼にあたるとされることがあります。カタログギフトなら問題ないとする考え方が一般的です。
相手の家庭の事情を先に考える
「良いものを贈る」より「相手が困らないものを贈る」ほうが大事です。冷凍庫の空き、家族の人数、食べられないもの。ここを外すと、贈り物が負担になります。
毎年同じでもいい
「毎年同じでは芸がない」と思うかもしれませんが、同じものを贈り続けるのは問題ありません。
- 相手が気に入っているなら、それがいちばん
- 「今年もあれが届いた」という安心感がある
- 選ぶ時間が減る
変えるべきなのは、相手の状況が変わったときです。家族が減った、健康上の事情ができた、といった場合。
毎年変えなければと思っていました。
喜ばれているなら変えなくていいんです。むしろ変えて外すほうがもったいない。「去年のあれ、おいしかった」と言われたら、それが答えです。
迷ったら聞く
親しい間柄なら、直接聞いてしまうのがいちばん確実です。
「何か欲しいものある?」と聞けるなら、それが最善。気を使わせない関係なら、この方法が使えます。
マナーとしては野暮かもしれませんが、実際に喜ばれるものを贈れるのはこの方法です。関係性次第で使い分けてください。
のし(掛け紙)の基本
形式の話です。押さえるのは3つだけです。

表書き・水引・名前。この3つを押さえれば十分です
1. 表書き
上段に「御歳暮」または「お歳暮」と書きます。
時期を過ぎた場合は、前の章のとおり表書きを変えます(御年賀・寒中御見舞)。
2. 水引(みずひき)
紅白の蝶結び(花結び)を使います。
蝶結びは「何度あってもよいこと」に使う結び方です。お歳暮は毎年繰り返す挨拶なので、これが正しい形になります。
結び切り(一度きりの意味)は、婚礼や弔事に使うもので、お歳暮には使いません。
結び方に意味があるんですね。
蝶結びは何度でも結び直せるから「繰り返してよいこと」。結び切りは解けないから「一度きり」。理屈が分かると覚えやすいです。
3. 名前
下段に贈り主の名前を書きます。
- 個人:フルネーム
- 夫婦:世帯主の名前のみ、または連名
- 会社:会社名と代表者名
内のし・外のし
掛け紙を包装紙の内側に掛けるか、外側に掛けるかの違いです。
- 内のし:包装紙の内側。配送で贈る場合に使われることが多い
- 外のし:包装紙の外側。手渡しの場合や、贈り物の趣旨をはっきり示したいとき
通販で配送するなら内のしが無難です。輸送中に掛け紙が傷むのを防げます。
配送なら内のし、手渡しなら外のし
迷ったらこの基準で選べば問題ありません。注文時に選択できることがほとんどなので、そこで指定してください。
喪中のときの扱い
お歳暮は「お祝い」ではなく「感謝の挨拶」なので、喪中でも贈って差し支えないとされています。
ただし、配慮する場合は次の方法があります。
- 四十九日を過ぎてから贈る
- 時期をずらして寒中御見舞として贈る
- 紅白の水引ではなく、無地の掛け紙を使う
喪中だと贈ってはいけないと思っていました。
お祝いではないので、贈って問題ありません。 ただ、紅白の水引は避けるほうが丁寧です。無地の掛け紙にして、表書きだけ書く形が使えます。
自分が喪中の場合
贈る側が喪中でも、お歳暮は贈って構いません。
こちらも同じで、感謝の挨拶だからです。気になる場合は、無地の掛け紙にするか、時期をずらします。
送り状を添える
配送で贈る場合、送り状(挨拶状)を添えるとより丁寧です。
- 品物より先に届くように出す、または同梱する
- 感謝の言葉と、品物を送ったことを伝える
- 手書きでなくても構わない
必須ではありませんが、「送りっぱなし」にならないという意味で、あると印象が違います。
一言添えるだけで十分です。「本年もお世話になりました。心ばかりの品をお送りしました」くらいで。
何も添えていませんでした。
無くても失礼ではありません。 ただ、あると気持ちが伝わる。余裕があればという話です。
迷ったら店に任せる
百貨店や通販で注文する場合、掛け紙の選択肢が用意されています。
- 表書き(御歳暮・御年賀など)
- 名前の入れ方
- 内のし・外のし
注文画面で選べば、正しい形で用意してもらえます。 自分で書く必要はありません。
通販なら注文画面で完結する
のしの形式で悩むより、注文時に「御歳暮」「内のし」「名前」を指定するだけで済みます。専門の店なら、間違った組み合わせにはなりません。
続け方と、やめ方
お歳暮でいちばん相談が多いのが、実はここです。
一度贈り始めると、やめられないと聞きました。
やめられます。 ただ、やめ方には形があります。急に止めると「何かあったのか」と思われるので、そこだけ気をつければ大丈夫です。
続けるのが基本
お歳暮は、毎年続けるものとされています。
- 1年だけ贈って翌年からやめると、不自然に映る
- 相手も「今年は無いのか」と気にする
だからこそ、始めるときに「続けられるか」を考える必要があります。

続けることが前提。だから始め方が大事になります
やめたくなる理由
実際には、次のような理由でやめたくなることがあります。
- 関係が変わった(退職、転職、取引の終了)
- 経済的な負担
- 相手が高齢になった(受け取りや返礼が負担になっている)
- 相手からも「お気遣いなく」と言われた
どれも正当な理由です。やめること自体は失礼ではありません。
やめ方の形
①段階的に減らす
- 1年目:品物の金額を少し下げる
- 2年目:お歳暮のみにする(お中元をやめる)
- 3年目:やめて、年賀状のみにする
急に止めるより、段階を踏むほうが穏やかです。
②挨拶状で伝える
その年のお歳暮に送り状を添えて、今後は控えることを伝える形です。
「本年をもちまして、お歳暮のご挨拶を控えさせていただきます。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。」
「関係を終える」のではなく「贈答を控える」という趣旨が伝わるように書きます。
③年賀状に切り替える
品物をやめて、年賀状での挨拶に切り替える。関係は続くので、相手も受け取りやすい形です。
やめるときは「関係は続く」と伝える
贈答をやめることと、関係を終えることは別です。年賀状は続ける、機会があれば会う、といった一言を添えると、相手も安心します。
「関係は続く」と伝えるのが大事なんですね。
そこが抜けると、疎遠になったと受け取られます。 贈答の形を変えるだけだと分かれば、相手も気にしません。
相手から「お気遣いなく」と言われたら
社交辞令の場合と、本心の場合があります。見分け方としては、
- 一度だけ言われた → 社交辞令のことが多い
- 毎年言われる → 本心の可能性が高い
- 返礼が明らかに負担になっている → 本心
毎年言われるなら、やめる(または軽くする)のが親切です。
相手が高齢の場合は特にです。お返しを用意する負担が、思っている以上に大きいことがあります。
お返しは必要か
お歳暮に対するお返しは、基本的に不要とされています。
お歳暮は「感謝の挨拶」なので、それに対して返礼する必要はありません。
ただし、
- お礼状を出すのは丁寧
- 目上から目下に贈られた場合、返礼することもある
- 同格の相手なら、同程度のものを贈り合う形もある

返礼は不要でも、お礼状は届いたことを伝える意味があります
受け取ったらお礼を伝える
品物を受け取ったら、届いたことを伝えるのが基本です。
- 電話・メール:親しい相手なら十分
- お礼状(はがき・手紙):丁寧な形
なるべく早く(届いてから2〜3日以内)伝えると、相手も安心します。「届いたかな」と気にさせないためです。
届いた連絡は、必ずしたほうがいいですね。
送った側は届いたか心配しています。 特に配送の場合。一言連絡があるだけで安心します。
「届きました」の一言が、いちばん大事
形式的なお礼状より、届いた翌日に「ありがとうございました、届きました」と連絡があるほうが、送った側は安心します。速さが丁寧さになる場面です。
お中元との関係
お歳暮とお中元は、どちらも「感謝の挨拶」ですが、扱いに違いがあります。
お中元を贈っていない相手に、お歳暮だけ贈ってもいいんでしょうか。
問題ありません。 むしろ年1回だけ贈るなら、お歳暮を選ぶのが一般的です。
時期と意味
- お中元:7月上旬〜15日頃(地域により8月15日頃まで)。年の半ばの挨拶
- お歳暮:12月上旬〜20日頃。1年の締めくくりの挨拶
1年の締めくくりであるお歳暮のほうが、位置づけとしては重いとされます。
両方贈る場合
両方贈るなら、お歳暮をやや重くするのが通例です。
- お中元:3,000円程度
- お歳暮:5,000円程度
といった形です。同額でも問題はありませんが、お中元のほうが高いのは避けるとされます。
年1回なら、お歳暮を選ぶ
どちらか一方だけにするなら、1年の締めくくりであるお歳暮が一般的です。負担を減らしたい場合、お中元をやめてお歳暮だけ続ける、という減らし方もあります。
負担を減らす方法としても使えるんですね。
「お中元をやめて、お歳暮だけ」は、よくある形です。年2回が1回になるので、負担は半分になる。急にやめるより自然です。
表書きの使い分け
時期を過ぎた場合、お中元にも同じように表書きの切り替えがあります。
| 時期 | 表書き |
|---|---|
| 7月上旬〜15日頃 | 御中元 |
| 7月中旬〜立秋(8月7日頃) | 暑中御見舞(目上には暑中御伺) |
| 立秋〜8月末頃 | 残暑御見舞(目上には残暑御伺) |
| 12月上旬〜20日頃 | 御歳暮 |
| 年明け〜1月7日頃 | 御年賀(新年の挨拶。年内に届くなら御歳暮のまま) |
| 1月8日頃〜2月4日頃 | 寒中御見舞 |
時期を過ぎたら表書きを変える、という考え方は同じです。お中元もお歳暮も、仕組みは共通しています。
一度だけ贈りたい場合
「今年だけ、特別にお世話になったから贈りたい」という場合。
お歳暮として贈ると、翌年以降も続ける前提と受け取られることがあります。
一度だけにしたいなら、
- 「御礼」として贈る(表書きを「御礼」にする)
- 具体的な出来事へのお礼だと分かるように、送り状を添える
こうすると、継続の前提を作らずに感謝を伝えられます。
一度だけなら「御礼」で贈る
お歳暮は継続が前提。単発で感謝を伝えたいなら、表書きを「御礼」にして、何に対するお礼かを添えると誤解がありません。
それは知りませんでした。
意外に大事な使い分けです。良かれと思って「御歳暮」で贈ると、相手が「来年も来るのか」と身構えることがあります。
引越し・転職したとき
自分や相手の状況が変わったときは、見直す機会になります。
- 相手が退職した → 個人の付き合いとして続けるか、そこで終えるか
- 自分が転職した → 前職の関係を続けるかどうか
- 遠方に引越した → 続けるなら配送の手配が変わる
状況が変わったタイミングは、自然にやめられる機会でもあります。
区切りがあると、やめやすい。 「退職されたので、今回で」という形なら、相手も納得します。
配送と受け取りへの配慮
通販で贈る場合、相手が受け取れるかまで考えると、より丁寧になります。

冷蔵・冷凍品は、相手の冷蔵庫の空きも考えます
到着日を指定する
配送日を指定できるなら、必ず指定してください。
- 12月上旬が理想(相手が落ち着いて受け取れる)
- 年末ぎりぎりは避ける
- 相手の在宅日を知っているなら、それに合わせる
年末は宅配便が最も混みます。指定できない店の場合、いつ届くか分からないまま相手を待たせることになります。
冷蔵・冷凍品の注意
生鮮品・冷凍品を贈る場合、受け取る側の負担が増えます。
- 置き配ができない(必ず対面での受け取りが要る)
- 冷蔵庫・冷凍庫の空きが必要
- 年末は他の食材で埋まっている
冷凍のかにを贈ろうと思っていました。
喜ばれる品ですが、場所を取ります。 相手が2人暮らしなら、少量のものを選ぶ。「届いても入らない」を避けるのが配慮です。
冷凍品は「届く前に一報」が親切
「◯日ごろ届きます」と伝えておくと、相手は冷凍庫を空けて待てます。サプライズより、受け取りやすさのほうが喜ばれます。
一報を入れる
配送で贈る場合、先に連絡を入れると親切です。
- いつ頃届くか
- 何を送ったか(冷蔵・冷凍なら特に)
送り状を添えるか、電話・メールで伝えるか。どちらでも構いません。
「冷凍便で届きます」と伝えるだけでも違います。相手が受け取りの準備をできる。
不在が続く時期を避ける
年末年始は、帰省や旅行で家を空ける人が多くなります。
- 12月28日以降は特に不在が増える
- 相手が帰省する家庭なら、12月上旬〜中旬に届けるのが確実
相手の予定が分かるなら、それに合わせるのが最善です。
直接手渡しする場合
近所や、会う機会がある相手には、手渡しもあります。
- 外のしにする(贈り物の趣旨がはっきり分かる)
- 風呂敷や紙袋に入れて持参する
- 紙袋のまま渡さないのが正式(袋から出して渡す)

手渡しなら外のし。袋から出して渡すのが正式です
紙袋のまま渡していました。
正式には袋から出して渡します。 ただ、これは気にしない人も多い。親しい相手なら、そこまで気を張らなくても構いません。
訪問して渡すとき
改まった訪問で渡す場合の順序があります。
- 挨拶を済ませてから渡す(玄関先ですぐ出さない)
- 部屋に通されたら、座って挨拶をした後に渡す
- 「心ばかりですが」などの一言を添える

挨拶を済ませてから渡すのが順序です
ただし、生鮮品や冷凍品の場合は玄関先で渡して構いません。 早く冷蔵庫に入れてもらう必要があるためです。
形式より、相手が困らないことを優先する
冷凍品を持って行って、挨拶が終わるまで玄関に置いておくのは本末転倒です。「冷たいものなので先に」と一言添えて渡せば、失礼にはなりません。
マナーは相手のためにあります。 相手を困らせる形式なら、そちらを崩していい。
そう考えると、気が楽になります。
どこで買うか、どう選ぶか
品物が決まったら、買う場所を選びます。
買う場所の種類
①百貨店
- ブランドの安心感がある。目上の方や改まった相手に向く
- 店頭で相談できる
- のしや配送の手配が確実
- 価格帯は高め
②専門通販・ギフト専門店
- 種類が多く、価格を比べやすい
- 早割が明確に設定されている
- 産地直送のものが選べる
- 現物は見られない
③スーパー・量販店
- 手ごろな価格
- 手渡しする相手に向く(自分で持ち帰れる)
- 種類は限られる
④産地・メーカーの直販
- そのブランドの品を確実に贈れる
- 数量限定のことがある
| 買う場所 | 選べる幅 | 価格帯 | 向いている相手 |
|---|---|---|---|
| 百貨店 | △ | 高め | 目上・改まった相手 |
| ギフト通販 | ○ 広い | 幅広い | 比較して選びたい |
| スーパー・量販店 | × 限られる | 手ごろ | 手渡しする相手 |
| 産地・メーカー直販 | × 限定的 | 幅広い | その品を贈りたいとき |
義理の実家には百貨店のほうがいいでしょうか。
相手が気にする方なら。百貨店の包装は、それだけで丁寧さが伝わります。ただ中身で選ぶ方なら、通販でも問題ありません。
早割を確認する
多くのギフト通販が、10月頃から早割を設定しています。
- 早いほど割引が大きい(段階式のことが多い)
- 人気の品は早く埋まる
- 配送日の指定枠も、早いほど選べる
おせちや年賀状と同じ構造です。年末に集中する商売は、たいてい早期予約に割引が付きます。
送料を含めて比べる
- 送料が無料か(一定額以上で無料になることが多い)
- 複数の宛先に送る場合、宛先ごとに送料がかかるか
- 北海道・沖縄・離島は別料金のことがある
複数の相手に贈る場合、送料の合計が意外に大きくなります。総額で比べてください。
複数に贈るなら送料をまとめて計算する
3件に贈るなら送料も3件分。1件あたりの商品代が安くても、送料込みで逆転することがあります。「◯円以上で送料無料」の条件も確認してください。
複数の宛先を一度に手配する
ギフト通販の多くは、1回の注文で複数の宛先に送れます。
- 宛先ごとに品物を変えられる
- のしの名前も宛先ごとに設定できる
- 住所を登録しておけば、翌年も使える
毎年同じ相手に贈るなら、この機能を使うと翌年の手間が激減します。
一度登録すれば、翌年は選ぶだけになります。年賀状の住所録と同じ考え方です。
毎年住所を入力し直していました。
もったいない。 同じサービスを使い続けると、それだけで年々楽になります。
相手の好みが分からないとき
カタログギフトが選択肢になります。
- 相手が選べる
- 好みが分からなくても外さない
- 冷蔵庫の空きを気にしなくていい
ただし、「手抜き」と受け取る人もいるため、目上の方には注意が必要です。親しい相手や、家族構成が分からない相手に向いています。
カタログギフトは相手を選ぶ
便利ですが、「選ばせる」という形が気になる人もいます。相手の年代や関係性を考えて使ってください。迷うなら、日持ちする食品や日用品のほうが無難です。
注文の前に最終確認
- 宛先の住所は最新か(引越ししていないか)
- のしの名前は正しいか
- 到着日は12月上旬〜20日頃になっているか
- 総額(商品代+送料+手数料)
住所が古いと戻ってきます。 年賀状のやりとりがあるなら、そこで最新の住所が分かります。
事情があるときの対応
一般的でない場面をまとめます。迷う場面ほど、答えを知っておくと楽です。
相手が喪中のとき
贈って差し支えありません。 お歳暮は「お祝い」ではなく「感謝の挨拶」だからです。
配慮する場合の方法。
- 四十九日を過ぎてから贈る
- 時期をずらして寒中御見舞として贈る
- 紅白の水引ではなく、無地の掛け紙を使う
避けるべきは「御年賀」です。こちらは新年を祝う意味があるため、喪中の相手には使いません。
喪中の相手に「御年賀」は使わない
御歳暮・寒中御見舞は問題ありませんが、御年賀は新年の祝いの意味があるため避けます。年内に間に合わない場合は、松の内が明けてから寒中御見舞として贈ってください。
自分が喪中のとき
こちらも贈って構いません。 感謝の挨拶なので、喪に服していることとは別です。
気になる場合は、無地の掛け紙にするか、時期をずらします。
相手が入院・療養中のとき
食品は避けるほうが無難です。
- 食事に制限があることが多い
- 病室に置く場所がない
- 家族の負担になることもある
この場合は、時期をずらして回復後に贈るか、お見舞いとは別の形を考えてください。無理に贈らないという判断も含めて。
贈らないほうがいい場合もあるんですね。
相手の負担になるなら、贈らないほうが親切です。「今年は控えて、来年また」で構いません。
相手が引越したかどうか分からない
年賀状のやりとりがあれば、そこで最新の住所が分かります。
分からない場合、
- 共通の知人に確認する
- 本人に直接聞く(「お歳暮を送りたいので」と言えば自然)
- 分からなければ、その年は見送る
宛先不明で戻ってくると、相手にも知られずに終わります。 確認してから送るのが確実です。
相手が受け取りを断ってきた
- 会社の規則で受け取れない
- 個人的に贈答を控えている
この場合は、相手の意向を尊重してください。無理に贈ると、返送の手間をかけさせます。
代わりに年賀状や、会ったときの挨拶で感謝を伝える形に切り替えます。
断られたら引くのが礼儀です。「気持ちだから」と押しつけるのは、相手のためになりません。
途中で贈る相手が変わるとき
- 担当者が変わった
- 世帯主が変わった(相続・世代交代)
新しい相手に引き継ぐか、そこで終えるかを判断します。
引き継ぐ場合、最初の年に一言添えると、相手も背景が分かって受け取りやすくなります。
海外へ贈るとき
- 食品は輸入規制がある国が多い
- 関税がかかることがある
- 配送に日数がかかる
贈れないものが多いので、事前に確認が必要です。現実的には、日本国内の家族経由で渡すか、現地で買えるものを手配するほうが確実なことがあります。
迷う場面ほど「相手の負担」で判断する
マナーの正解が分からないときは、「これは相手の負担になるか」で考えてください。負担になるなら形を変えるか、見送る。それが最も外れの少ない判断です。
基準が1つあると、迷わずに済みますね。
お歳暮は相手のためのものです。自分が形式を守ったかどうかより、相手がどう感じるか。そこを軸にすれば、たいていの場面で判断できます。
よくある失敗と、その避け方
実際に起こりやすい失敗を挙げておきます。

失敗の型は決まっています。知っていれば避けられます
失敗1:12月に手配して、早割を逃した
気づいたときには通常価格で、人気の品も品切れだった。
避け方:10〜11月に手配する。 配送日は12月上旬を指定できます。
失敗2:年末ぎりぎりに届けた
12月28日に届き、相手は帰省の準備で慌ただしかった。
避け方:12月上旬〜20日頃に到着するように。早いほうが親切です。
失敗3:大容量の生鮮品を2人暮らしの家に贈った
冷凍庫に入らず、相手を困らせた。
避け方:相手の家族構成を考える。 高齢の夫婦なら、少量で質のよいものを。
失敗4:飲まない家庭にお酒を贈った
置き場所に困らせ、結局人にあげることになった。
避け方:飲む人がいるか確認する。 分からなければ、日持ちする食品や日用品にする。
定番だからと選んでいました。
定番は「多くの人に合う」だけで、その相手に合うとは限りません。 相手の顔を思い浮かべて選んでください。
失敗5:会社の規則を確認せずに上司へ贈った
贈答を禁止している会社で、相手が返送する手間をかけさせた。
避け方:就業規則を確認する。 最近は禁止している会社が増えています。
失敗6:喪中だから贈ってはいけないと思い込んだ
お歳暮は感謝の挨拶なので、喪中でも贈って差し支えありません。
避け方:贈って構わない。 気になる場合は無地の掛け紙にするか、寒中御見舞として時期をずらす。
失敗7:1年だけのつもりが、続けることになった
特別な年のお礼として贈ったが、翌年以降も贈る前提と受け取られた。
避け方:一度だけなら「御礼」で贈る。 何に対するお礼かを送り状で伝える。
失敗8:最初に高いものを贈って、下げられなくなった
見栄を張った金額が、その後の基準になってしまった。
避け方:無理なく続けられる金額で始める。 無理なく続けられる金額で始めてください。 ギフト各社の解説では3,000〜5,000円の帯を挙げるものが多く見られますが、これは公表された調査ではなく各社の説明です。
失敗9:届いた連絡をしなかった
送った側が「届いたのか」と気を揉むことになった。
避け方:届いたら2〜3日以内に一報。 電話・メールで十分です。
失敗10:やめたいのにやめられず、負担が続いた
関係が変わったのに、惰性で続けていた。
避け方:段階的に減らすか、挨拶状で伝える。 「関係は続く」と添えれば角が立ちません。
10の失敗に共通すること
半分は「早く動けば起きなかった」もの、もう半分は「相手の事情を考えていなかった」ものです。10月に手配して、相手の家族構成と受け取りやすさを考える。これでほとんどが防げます。
お歳暮は形式より、相手のことを考えているかどうかです。マナーを完璧に守っても、相手が困る品を贈ったら意味がありません。
逆に、多少形式を外しても、相手のことを考えていれば伝わりますね。
そちらのほうがずっと大事です。
手配のチェックリスト
時期ごとに、確認できる形にまとめます。
- 1贈る相手を決めたか(会社の規則は確認したか)
- 2予算を決めたか(毎年続けられる金額か)
- 3相手の家族構成を考えたか(人数・年齢・食べられないもの)
- 4早割のうちに注文したか
- 1相手の人数に対して量は適切か
- 2冷蔵・冷凍品なら、相手の冷蔵庫に入るか
- 3飲む人・食べる人がいるか(お酒・特定の食品)
- 4アレルギーや健康上の制限はないか
- 5縁起の悪いとされるもの(刃物・櫛・ハンカチ)を避けたか
- 1表書きは「御歳暮」か(時期を過ぎるなら御年賀・寒中御見舞)
- 2水引は紅白の蝶結びか(喪中なら無地の掛け紙も検討)
- 3名前の入れ方は決めたか(個人・夫婦の連名・会社名)
- 4配送なら内のし、手渡しなら外のしか
- 1到着は12月上旬〜20日頃か
- 2相手が受け取れる日か(年末の不在に注意)
- 3冷凍品なら、届く前に一報を入れたか
- 12〜3日以内に届いた連絡をしたか
- 2お礼状を出すなら、なるべく早く
- 3返礼は基本的に不要(お礼を伝えれば十分)
10月にまとめてやってしまえばいいんですね。
1年に1回、秋に30分。それで年末が楽になります。おせちと同じです。
まとめ:お歳暮の手配カレンダー
長くなったので、要点だけをもう一度まとめます。
時期
- 届けるのは12月上旬〜20日頃まで。早いほうが親切
- 手配は10〜11月(早割・品揃え・配送日の指定すべてで有利)
- 20日を過ぎるなら、御年賀(まで)または寒中御見舞(立春まで)に切り替える
相場
- 3,000〜5,000円が一般的。特にお世話になった相手なら5,000〜10,000円
- 金額より「毎年続けられるか」。最初の金額がその後の基準になる
- 勤務先の規則で贈答が禁止されていないか確認する
品物
- 相手の家族構成で決める(人数・年齢・食べられないもの)
- 高齢の夫婦に大容量は負担。少量で質のよいものを
- 冷蔵・冷凍品は相手の冷蔵庫の空きまで考える
- 毎年同じでも問題ない。喜ばれているなら変えなくていい
のし(掛け紙)
- は「御歳暮」、は紅白の蝶結び、下段に贈り主の名前
- 配送なら内のし、手渡しなら外のし
- 喪中でも贈って差し支えない(気になるなら無地の掛け紙・御見舞に)
- 通販なら注文画面で指定できる。自分で書く必要はない
続け方・やめ方
- お歳暮は続けるのが基本。だから始め方が大事
- やめるなら段階的に減らすか、挨拶状で伝える
- 「関係は続く」と添えると角が立たない
- お中元をやめてお歳暮だけにする、という減らし方もある
受け取ったら
- 2〜3日以内に届いた連絡を。返礼は基本的に不要
- 「届きました」の一言が、いちばん相手を安心させる
「10月に手配」と「相手の家族構成で選ぶ」。この2つですね。
それで十分です。マナーは相手のためにあります。 形式を完璧に守ることより、相手が困らないものを、受け取りやすい時期に届ける。そこを外さなければ、気持ちは伝わります。
今年は10月に済ませます。
同じ年末の準備として、おせちの早割スケジュールやかに通販の買いどきもあわせてどうぞ。年賀状の準備も、手配は同じ10〜11月が動きどきです。12月に必要になるものは12月に読むべき記事の一覧にまとめています。



