敬老の日は、9月の第3月曜日です。日付が毎年動くので、「今年はいつだったか」を毎年調べることになります。
そして、この行事のいちばん厄介なところは日付ではありません。「誰に贈るのか」「何歳から贈るのか」が決まっていないことです。母の日や父の日と違って、対象がはっきりしません。ここでつまずいて、結局なにもしないまま過ぎる年が出てきます。
結論から言うと、贈るかどうかは年齢ではなく「孫がいるか」「本人がどう受け取るか」で決めるのが実際的です。そして贈ると決めたら、9月の第2週までに手配しておけば、当日までにまず間に合います。
この記事では、日付の決まり方、何歳から贈るかの考え方、相場、贈るものの選び方、そして贈らないほうがよいものまでを、家族の年中行事を預かるカオリさんとハル先輩の会話で整理していきます。

敬老の日は「何歳から」が決まっていない行事です
こんな方に読んでほしい記事です
何歳から贈るものなのか分からず、毎年もやもやしている
「年寄り扱いするな」と言われそうで、贈るのをためらっている
毎年同じものを贈っていて、そろそろ変えたいが思いつかない
去年は当日に間に合わず、数日遅れて届いてしまった
この記事の前提
敬老の日の日付は「9月の第3月曜日」という決まりから計算できます。一方で、贈り物の相場や慣習は調査や地域によって幅があります。この記事は一般的な傾向の整理です。金額や慣習の細かいところは、ご家族の事情に合わせて読み替えてください。
敬老の日って、うちの親に贈っていいものなんでしょうか。まだ68歳で、本人は元気なつもりでいるんです。
年齢では決めないほうがいいです。 実は「何歳から」という決まりはどこにもありません。だから迷うんです。
決まりがないんですか。
ありません。目安として使われている数字はありますが、法律にも慣習にも「敬老の日は何歳から」という線引きはないんです。代わりに広く使われている基準が「孫がいるかどうか」です。
孫。うちは子どもがいるので、親から見れば孫はいます。
それなら贈って問題ありません。「おじいちゃん・おばあちゃんへ」という立て方にすれば、年寄り扱いにはならないんです。差出人を孫にすると、なおさら角が立ちません。
なるほど。私からではなく、子どもから、ということですね。
そうです。この行事は「贈る側が誰か」で受け取られ方が変わります。 ここだけ押さえておけば、あとは何を贈るかの話になります。
結論:9月の第3月曜日。手配は第2週までに
敬老の日は9月の第3月曜日です。2003年から、いわゆるハッピーマンデー制度によって月曜に移りました。それ以前は9月15日に固定されていたので、年配の方ほど「敬老の日は9月15日」と覚えています。 ここは会話のときに少し気を付けるところです。
第3月曜という決まりから計算すると、しばらくはこうなります。
| 年 | 敬老の日 |
|---|---|
| 2026年 | 9月21日(月) |
| 2027年 | 9月20日(月) |
| 2028年 | 9月18日(月) |
| 2029年 | 9月17日(月) |
| 2030年 | 9月16日(月) |
| 2031年 | 9月15日(月) |
つまり9月15日から21日のあいだのどこかです。9月に入ったらカレンダーで第3月曜を確認する、と覚えておけば毎年これで足ります。
手配の逆算
8月何を贈るか考え始める。人気の品はこの時期から動く
9月第1〜2週で手配する。 第3週は配送が混み、生花・生ものは日時指定が埋まりやすい
10月過ぎてから贈るなら、日付には触れずに「秋のご挨拶」として
| やること | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 誰に贈るか決める | 8月中 | 両家に贈るなら片方だけにしない |
| 品を決める・注文する | 9月の第1〜2週 | 配送日を指定する |
| 届く | 敬老の日の前日まで | 当日着は不在のリスクがある |
| 電話やメッセージ | 当日 | 品より、こちらのほうが残る |
「当日着」を指定しない
当日に届くよう指定すると、留守だったときに翌日以降へずれます。前日着にしておけば、当日には手元にあります。 生花や冷蔵品でも同じで、前日に届いていれば当日に飾る・食べることができます。
去年は当日指定にして、両親が出かけていて受け取れなかったんです。
よくあります。敬老の日は月曜の祝日なので、出かける方が多いんです。 だから前日の日曜、あるいは土曜に着くようにしておくのが確実です。
早すぎると、当日感がなくなる気もして。
そこは当日に電話を1本入れることで埋まります。品物が前日に届いていて、当日に声を聞ける。むしろこの順番のほうが喜ばれます。
「何歳から」は決まっていない
敬老の日でいちばん相談が多いのがここです。結論から言うと、年齢の決まりはありません。
参考になる数字はあります。国の統計や国際的な区分では、65歳以上をひとつの区切りとして扱うことが多くあります。また老人福祉法は9月15日を「老人の日」、そこから1週間を「老人週間」と定めています。ただしこれらは制度上の区分であって、「敬老の日は何歳から祝う」という決まりではありません。
年齢ではなく、立場で決める
実際に使いやすいのは、次の3つの見方です。
| 見方 | 考え方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 孫がいるか | 孫から見た「おじいちゃん・おばあちゃん」へ贈る | いちばん角が立たない。迷ったらこれ |
| 同居・介護の有無 | 日々の感謝を形にする日として使う | 距離が近い家族 |
| 本人の受け止め方 | 「年寄り扱い」と感じる人には別の名目にする | まだ現役で働いている親 |
孫がいるかどうかを基準にすると、たいていの迷いは消えます。60代前半でも孫がいれば自然ですし、70代でも孫がいなければ無理に贈らなくてよい、という整理ができます。

節目の年齢には別の呼び方があります。敬老の日とは分けて考えます
長寿祝いとは別のもの
還暦や古希といった長寿祝いは、年齢そのものを祝う行事です。敬老の日とは目的が違います。
| 呼び方 | 年齢 | 由来 |
|---|---|---|
| 還暦 | 60 | 干支が一巡して生まれ年に戻る |
| 古希 | 70 | 「人生七十古来稀なり」から |
| 喜寿 | 77 | 「喜」の草書体が七十七に見える |
| 傘寿 | 80 | 「傘」の略字が八十に見える |
| 米寿 | 88 | 「米」を分解すると八十八 |
| 卒寿 | 90 | 「卒」の略字が九十に見える |
| 白寿 | 99 | 「百」から一を取ると「白」 |
伝統的には数え年で祝いますが、今は満年齢で行うことも増えています。 どちらが正しいということはないので、家族の慣習に合わせて構いません。
還暦に「赤」を贈るかは相手次第
還暦の赤いちゃんちゃんこは「赤子に還る」という意味の縁起物ですが、「年寄り扱いされた」と感じる方もいます。 60歳はまだ働いている方が多い年齢です。本人の性格を見て決めてください。
親は「敬老の日なんてまだ早い」と言いそうです。
それなら「敬老の日だから」と言わない方法があります。孫からの手紙とお菓子を送って、名目を付けない。それだけで十分伝わります。
名目がないと、かえって不思議がられませんか。
「もらう理由がない贈り物」は、実はいちばん嬉しいものです。行事だから贈ったのではなく、思い出したから贈った、という形になりますから。
たしかに。義務感が見えないほうがいいですね。
ただし兄弟姉妹がいる場合は、事前に一声かけておくといいです。片方だけが贈ると、贈らなかったほうが気にします。ここは毎年もめる場所です。
相場:金額より「毎年続けられるか」
贈り物の金額は、一般に3,000円から5,000円程度を目安とする案内が多く見られます。ただしこの数字は調査によって幅があり、贈る相手との関係でも変わります。
大事なのは金額そのものより、来年も再来年も同じことができるかです。
| 関係 | よくある目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 自分の親・義理の親 | 5,000円前後 | 毎年続くので、負担にならない額に |
| 祖父母(孫から) | 3,000円前後 | 気持ちが伝わればよい。高額は逆に気を遣わせる |
| 兄弟で合わせて贈る | 割り勘で1万円前後 | まとめると選択肢が広がる |
| 施設に入っている方へ | 3,000円前後 | 持ち込みの制限があるので事前確認 |
初年度に高くしすぎない
敬老の日は毎年来ます。 最初の年に1万円のものを贈ると、翌年に3,000円のものを贈りづらくなります。「去年より安い」は、贈る側だけが気にしていることが多いのですが、それでも気になります。続けられる額から始めてください。
兄弟姉妹がいるとき
兄弟姉妹も贈りそうですか?
はい・分からない
事前に一声かけて、まとめるか分けるか決める。同じものが重なるのを防げる
いいえ・自分だけ
金額は控えめに。あとから他の人が贈りにくくならない額にする
まとめて贈ると1人あたりの負担が下がり、選べるものの幅が広がります。 花だけ、お菓子だけ、ではなく「花+食事」のような組み合わせにできます。
妹と毎年ばらばらに贈っていて、去年は両方お菓子でした。
それはもったいないですね。一声かけるだけで防げます。 「今年は私が花にするから、そっちは食べ物にしない?」で済みます。
連絡するのが面倒で、つい。
でしたら役割を固定してしまう手もあります。「うちは毎年花」「そっちは毎年食べ物」と決めておけば、毎年相談しなくて済みます。
何を贈るか:4つの型で考える
品物を1つずつ検討すると、選択肢が多すぎて決まりません。先に「型」を決めてから、その中で選ぶと早く終わります。
| 型 | 例 | 向いている相手 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 残らないもの | 花・お菓子・果物 | 物を増やしたくない人 | 量と日持ちを見る |
| 使い切るもの | お茶・調味料・入浴剤 | 好みが分かっている人 | 味の好みが強い人には外れやすい |
| 暮らしが楽になるもの | 軽い調理器具・ラジオ・照明 | 同居・近居で様子が分かる人 | 使い方を覚えるのが負担になることも |
| 時間を贈るもの | 食事・旅行・帰省 | 物より会いたい人 | 体力と予定の確認が要る |

「何を」より先に「どの型か」を決めると早く決まります
迷ったら「残らないもの」が無難です。年配の方の家は物が増えることを嫌う傾向があり、置き場所に困るものは喜ばれにくいためです。
型ごとの決め手
| 型 | 選ぶときに見るところ |
|---|---|
| 残らないもの | 2人暮らし・1人暮らしなら少量を選ぶ。大箱は持て余す |
| 使い切るもの | 普段使っているものを聞いておく。銘柄を変えないのが安全 |
| 暮らしが楽になるもの | 説明書を読ませない。箱から出してすぐ使えるか |
| 時間を贈るもの | 移動距離と店の席(座敷か椅子か)を先に確認する |
「便利だから」で家電を贈らない
新しい家電は、使い方を覚えるという仕事を贈ることでもあります。使いこなせずしまい込まれるのはよくある結末です。贈るなら、設置と初回の操作まで一緒にやるところまでを含めて考えてください。
去年、母にコーヒーメーカーを贈ったんです。使っている気配がありません。
お手入れの手間が理由のことが多いです。抽出のあとに洗う部品が多いと、だんだん使わなくなります。
言われてみれば、洗う場所が多いものでした。
年齢を重ねると、片付けの手間が判断を決めます。 味や性能ではなく「後片付けが1つか2つか」で使われ続けるかが決まる。ここは意外と知られていません。
じゃあ今年は食べ物にします。
いい判断です。ただ食べ物にも落とし穴があるので、次でそこを見ていきましょう。
食べ物を贈るとき:量・硬さ・持病
食べ物は喜ばれやすい一方で、外し方がはっきりしている分野でもあります。見るところは3つです。

量・硬さ・持病。この3つを外すと、喜ばれるはずのものが負担になります
① 量
2人暮らし、あるいは1人暮らしの食べる量を基準にしてください。若い家族と同じ感覚で選ぶと、確実に余ります。
| 世帯 | 目安 | 避けたいもの |
|---|---|---|
| 1人暮らし | 個包装で5〜8個程度 | 大箱・要冷蔵のまとめ買い |
| 2人暮らし | 個包装で10〜15個程度 | 開封後すぐ食べきる必要があるもの |
| 同居家族あり | 世帯人数に合わせる | — |
個包装であることは、この年代への贈り物ではかなり効きます。少しずつ食べられ、来客に出すこともでき、余っても傷みません。
② 硬さ
歯や顎の力は年齢とともに変わります。硬いもの、粘るものは食べられないことがあります。
| 避けたほうが安全 | 理由 | 代わりになるもの |
|---|---|---|
| 硬いせんべい・おかき | 歯や差し歯に負担 | 柔らかいおかき・かりんとう |
| 餅・求肥の多い菓子 | 喉に詰まる危険 | 蒸し菓子・カステラ |
| ナッツ類・豆菓子 | 噛み砕きにくい | 落雁・最中 |
| 大きなかたまり肉 | 噛み切りにくい | ほぐし身・煮込み |
餅は敬老の日でも注意する
和菓子は年配の方向けの定番ですが、餅や求肥が入ったものは喉に詰まらせる事故につながります。 特に一人で食事をする方に贈るときは避けてください。同じ和菓子でも、蒸し菓子や羊羹なら心配が少なくなります。
③ 持病と食事制限
ここは贈る前に確認するしかありません。
- 1糖分や塩分を控えているか(治療中なら甘い菓子は負担になる)
- 2アレルギーはないか
- 3冷蔵庫・冷凍庫に置き場所があるか
- 4日持ちはどのくらいか。食べきれる期間か
- 5受け取れる日時を指定できるか
「健康にいい」ものを勝手に選ばない
サプリメントや健康食品は、服用中の薬と相互作用が起きることがあります。 良かれと思って贈るものほど危険です。健康に関わるものは、本人か、かかりつけの医師に確認してからにしてください。
父が糖尿の治療をしていて、甘いものは贈りにくいんです。
でしたら食べ物以外に振るのが早いです。無理に「糖質オフのお菓子」を探すより、花や日用品のほうが気を遣わせません。
糖質オフのものを探そうと思っていました。
気持ちは分かりますが、「食べていいか自分で判断させる」ことになります。 治療中の方にとって、それ自体が少し面倒なんです。最初から別の分野にするほうが親切です。
花を贈るとき:受け取りと、その後の手間まで考える
花は敬老の日の定番です。ただし贈ったあとに手間が発生することは意識しておいてください。

生花は受け取れないと傷みます。日時の指定が要ります
| 種類 | 手間 | 向いている相手 |
|---|---|---|
| 花束 | 花瓶に生ける・水を替える | 花を扱い慣れている人 |
| アレンジメント | そのまま置ける。水を足すだけ | 迷ったらこれ |
| 鉢植え | 水やりが続く。長く楽しめる | 園芸が好きな人 |
| プリザーブドフラワー | 手入れ不要。長く残る | 手間をかけたくない人 |
迷ったらアレンジメントです。器に吸水スポンジが入っていて、届いたその場で飾れます。花瓶を出す必要も、茎を切る必要もありません。
鉢植えは相手を選ぶ
鉢植えは長く楽しめますが、水やりという毎日の仕事が増えます。 外出が多い方、体力が落ちてきた方には、負担になることがあります。
「鉢植えは寝付く」と言う人がいる
鉢植えは根が張ることから「根付く=寝付く」を連想させるとして、病気の方へのお見舞いでは避ける慣習があります。敬老の日で問題にされることは少ないのですが、気にする方は気にします。 相手が入院中・療養中なら鉢植えは外してください。
色と花の選び方
| 選ぶとき | 考え方 |
|---|---|
| 避けたい花 | 菊(特に白)は仏花の印象が強い。ただしりんどうは敬老の日の定番 |
| 色 | 明るい色が無難。白一色は弔事を連想させることがある |
| 香り | 強い香りの花は、狭い部屋だと負担になることがある |
| 本数 | 少なめでよい。大きな花束は花瓶に入らない |
りんどうは敬老の日によく使われます。ちょうど秋が花期で、紫色が高貴な色とされることからと言われています。
受け取りの問題
生花は置き配できない
生花・冷蔵品は原則として置き配ができません。 不在なら持ち帰られ、再配達までのあいだに傷みます。必ず日時を指定して、受け取れる日に届くようにしてください。祝日当日は出かけている可能性があるので、前日の指定が安全です。
花は毎年贈っているんですが、母が「花瓶を出すのが面倒」と言っていて。
それはアレンジメントに替えるだけで解決します。 器ごと届くので、置くだけです。花瓶も、茎を切るはさみも要りません。
そんな違いがあるんですね。同じ「花」だと思っていました。
贈る側から見ると同じですが、受け取る側の仕事量が全然違います。 花束は「生ける」という作業を贈っていることになるんです。
避けたほうがよいもの
慣習として「目上の方に贈らない」とされるものがあります。知らずに贈って気まずくなるのは避けたいので、先に見ておきます。
ただし前置きが必要です。これらは絶対の禁止ではありません。 気にする方と、まったく気にしない方がいます。相手の世代や地域によって受け止め方が違うので、「そう受け取る人もいる」という程度に読んでください。
| もの | 言われている理由 | どうするか |
|---|---|---|
| 櫛(くし) | 「苦」「死」に音が通じる | 避けるのが無難 |
| ハンカチ | 漢字で「手巾」=「手切れ」を連想 | 別れの意味に取られることがある |
| 時計・かばん・靴・文具 | 「もっと勤勉に」の意味になり、目上に失礼とされる | 本人が欲しがっている場合は例外 |
| 靴下・スリッパ | 「踏みつける」を連想 | 実用品として喜ばれることも多い |
| 白い菊 | 仏花の印象が強い | 花なら色のあるものに |
| お茶 | 香典返しの定番という印象 | 地域差が大きい。 普段飲む人には喜ばれる |
| 刃物 | 「縁を切る」 | 名入れの包丁などは慎重に |
気にしすぎない、ただし確認はする
上の慣習をすべて避けると、贈れるものがほとんど残りません。現実的なのは「相手が気にする人かどうか」を基準にすることです。判断がつかないときは、櫛と刃物だけ外しておけば、たいていは問題になりません。
むしろ気を付けたい、実用の落とし穴
慣習より、こちらのほうが実害があります。
- 1置き場所があるか(家具・大きな家電は置く場所から考える)
- 2使い方を新しく覚える必要がないか
- 3重くないか。持ち上げられるか
- 4電池交換や手入れが自分でできるか
- 5施設に入っている場合、持ち込みが許されるものか
施設に入っている方へ贈るときは事前確認
施設によっては、生花・生もの・鉢植え・火を使うもの・冷蔵が必要なものを持ち込めないことがあります。共用の冷蔵庫がない、居室に花を置けない、といった事情です。贈る前に施設へ確認するか、家族に聞いてください。
義母にハンカチを贈ったことがあります。まずかったでしょうか。
何も言われなかったのなら、気にしていないということです。 ハンカチは実用品として普通に贈られていますし、気にする方はごく一部です。
今になって心配になってきました。
過ぎたことは大丈夫です。それより次に贈るとき、櫛と刃物だけ避ける。 それで十分です。慣習を全部覚える必要はありません。
のし・表書きはどうするか
家族へ贈るなら、のしは必須ではありません。 実際、親や祖父母へは何も付けずに渡すことのほうが多いくらいです。
付けるとしたら、次のようになります。
| 項目 | 敬老の日の場合 |
|---|---|
| 水引 | 紅白の蝶結び(何度あってもよいお祝い) |
| 表書き | 「敬老の日」「祝 敬老の日」「感謝」など |
| 名前 | 贈る人の名前。孫から贈るなら孫の名前 |
| のしの位置 | 手渡しなら外のし、配送なら内のしが一般的 |
孫の名前で出すのが、この行事ではよく効きます。差出人が孫になるだけで、「年寄り扱いされた」という受け取られ方をしなくなります。
内のしと外のし
内のしは品物にのしを掛け、その上から包装します。配送で汚れず、控えめな印象になります。外のしは包装の上からのしを掛けるので、渡した瞬間に名目が見えます。手渡しなら外のし、配送なら内のし、と覚えておけば足ります。
の書き方やの選び方をもう少し詳しく知りたい場合は、のし紙の書き方と水引の選び方にまとめています。敬老の日だけでなく、お中元・お歳暮・でも同じ考え方が使えます。
実家に贈るのに、のしは大げさな気がします。
付けなくて構いません。 家族間ではむしろ付けないほうが自然です。付けるとしたら、渡す相手が同居していない義理の親のような、少し距離があるときですね。
義母のほうには付けたほうがいいでしょうか。
迷うなら付けておくと安心です。付けて失礼になることはありません。 逆はあり得るので、迷ったら付ける、で問題ありません。
届け方:手渡しか、配送か
敬老の日の前後に、会いに行けそうですか?
はい
手渡しにする。 品物より、顔を見せることのほうが本体になる
いいえ
配送にして、前日までに着くよう日時を指定する。当日は電話を入れる

生花と生ものは置き配できません。受け取れる日時を指定します
配送で気を付ける3点
| 確認すること | なぜ |
|---|---|
| 日時を指定できるか | 指定できない発送方法だと、留守中に届く |
| 前日までに着くか | 祝日当日は出かけていることがある |
| 置き配になるか | 生花・冷蔵・冷凍は置き配できないことが多い |
「敬老の日必着」に頼らない
通販の「敬老の日にお届け」は、その日に届くだけで、受け取れるとは限りません。 祝日は外出しやすい日です。前日着にしておけば、当日に不在でも手元にあります。
住所を確認しておく
意外と抜けるのがここです。
- 1住所は最新か(引っ越し・施設への入居)
- 2建物名・部屋番号まで入っているか
- 3電話番号は本人が出られる番号か
- 4冷蔵・冷凍が届いても入れる場所があるか
- 5重い荷物を玄関から運べるか
冷蔵・冷凍のものを贈るときは、冷蔵庫の空きを聞いておいてください。 高齢の2人暮らしだと冷蔵庫が小さいことがあり、大きな箱が入りません。
実家の冷蔵庫、けっこう小さいです。
だと常温で日持ちするものがいちばん確実です。冷蔵の必要がなければ、届いてから食べるまで自由に決められます。
常温でおいしいものというと、限られませんか。
そんなことはありません。焼き菓子、佃煮、乾麺、果物。むしろ選択肢は多いです。 冷蔵にこだわると、逆に狭くなります。
言葉を添える:ここがいちばん残る
品物は消えますが、手紙は残ります。 実際、贈られた側が何年も取ってあるのは、たいてい手紙やはがきのほうです。

品物より、こちらのほうが長く残ります
書きにくいときの型
長く書く必要はありません。3行で十分です。
①呼びかけ|「おじいちゃん、おばあちゃんへ」
②近況か感謝|「先日は〇〇をありがとう」「〇〇が入学しました」など、具体的なことを1つ
③これから|「またすぐ会いに行きます」「元気でいてください」
具体的なことを1つ入れるのが要点です。「いつもありがとう」だけだと、毎年同じ文面になります。 去年の出来事を1つ書くだけで、その年だけの手紙になります。
| 避けたい書き方 | 代わりに |
|---|---|
| 「いつまでも長生きしてね」 | 「また一緒に〇〇に行きたいです」 |
| 「無理しないでね」 | 「〇〇の畑、今年はどうですか」 |
| 「もう歳なんだから」 | 書かない |
「長生きしてね」が重いことがある
悪気のない言葉ですが、体調に不安を抱えている方には重く響くことがあります。 健康を願う言い方より、「また会いたい」「またこれをしたい」という、これからの予定の形にすると受け取りやすくなります。
子どもに書かせる
孫がいるなら、子どもに書かせるのがいちばん強いです。字が拙くても関係ありません。むしろそのほうが取っておかれます。
- 1敬老の日の1〜2週間前に用意する(当日は間に合わない)
- 2はがきか便箋を用意し、書く内容を3つだけ決めてやる
- 3絵を描かせる。文字が書けない年齢なら絵と手形でよい
- 4写真を1枚同封する。本人が写っているものにする
子どもに書かせると、時間がかかって当日になりそうです。
だから2週間前に用意するんです。ここだけは前倒しが要ります。品物は当日近くでも間に合いますが、子どもの手紙は間に合いません。
写真も入れたほうがいいですか。
ぜひ。印刷した写真にしてください。データで送ると見られないことがありますし、印刷したものは飾れます。壁に貼られている家、多いですよ。
物を贈らないという選び方
「今年は何を贈ろう」で毎年悩むなら、物を贈るのをやめるという手があります。
| 方法 | 良いところ | 気を付けること |
|---|---|---|
| 一緒に食事をする | 顔を見せられる。物が増えない | 店は椅子席を選ぶ。移動距離を短く |
| 帰省する | 何よりの贈り物になることが多い | 泊まると準備の負担をかける。日帰りも検討 |
| 電話・ビデオ通話 | 遠方でもできる | 事前に時間を約束しておく |
| 家の用事を片付ける | 実際に助かる。電球交換・家具の移動など | 「片付けろ」と言わない。頼まれたことだけ |
食事に誘うときの確認
- 1椅子席か座敷か(座敷は立ち座りがつらいことがあります)
- 2駅や駐車場からの距離
- 3段差・階段の有無。エレベーターがあるか
- 4個室か。うるさい店は会話が聞き取りにくい
- 5食事の硬さ・量を調整してもらえるか
座敷は避けるのが無難です。膝や腰に不安があると、座敷での2時間はかなりの負担になります。本人は「大丈夫」と言うので、こちらで椅子席にしておいてください。
家の用事を片付ける
意外と喜ばれるのがこれです。高いところの電球交換、重い家具の移動、雨どいの掃除など、体力が要る用事は溜まっていきます。
「片付けよう」とは言わない
実家に行くと、つい物の多さが気になります。ですが敬老の日に片付けの話を持ち出すと、まず険悪になります。 その日は頼まれたことだけをやってください。片付けの話は別の機会に、時間をかけて進めるものです。
実家の片付けそのものについては、実家の片付けはいつ始める?で、帰省を活かした進め方を書いています。
実家に行くたびに、物が増えていて気になります。
気持ちは分かります。ただ敬老の日にその話をするのは、いちばんまずい日です。感謝を伝えに行った日に、家のことを否定される形になりますから。
たしかに、去年それで少しもめました。
よくあります。その日は「頼まれたことだけ」。 電球を替えて、重い箱を動かして、帰る。それだけで十分な贈り物になっています。
贈る前のチェック
注文ボタンを押す前に、上から確認してください。
- 1誰に贈るか決まっているか(両家に贈るなら片方だけにしない)
- 2兄弟姉妹に一声かけたか。同じものが重ならないか
- 3食事制限・アレルギー・持病はないか
- 4施設に入っている場合、持ち込みの制限を確認したか
- 1量は世帯人数に合っているか。多すぎないか
- 2硬いもの・餅が入っていないか
- 3個包装か。少しずつ食べられるか
- 4置き場所・冷蔵庫の空きはあるか
- 5新しく使い方を覚える必要がないか
- 6重くないか。1人で持ち上げられるか
- 1住所は最新か。建物名・部屋番号まで入っているか
- 2日時を指定したか。前日までに着くか
- 3生花・冷蔵なら、受け取れる日時になっているか
- 4のしを付けるか決めたか(家族なら不要のことが多い)
- 1手紙かメッセージカードを添えたか
- 2子どもに書かせるなら、2週間前に用意を始めたか
- 3当日に電話をかける予定を入れたか
全部やらなくてよい
上の項目を全部埋める必要はありません。「量」「硬さ」「前日着」の3つを押さえておけば、大きく外すことはまずありません。残りは余裕があるときに。
まとめ:年齢ではなく、立場で決める
要点をもう一度まとめます。
時期
- 敬老の日は9月の第3月曜日。2026年は9月21日
- 2003年に月曜へ移った。年配の方は「9月15日」と覚えていることがある
- 手配は9月の第1〜2週。届くのは前日までにする
- 当日は出かけていることが多い。当日着を指定しない
誰に贈るか
- 年齢の決まりはない。 65歳という区分は制度上のもので、行事の基準ではない
- 迷ったら「孫がいるか」で決める。差出人を孫にすると角が立たない
- 「まだ早い」と言われそうなら、名目を付けずに贈る
- 兄弟姉妹がいるなら事前に一声。毎年もめるのはここ
何を贈るか
- 先に型を決める(残らない/使い切る/暮らしが楽になる/時間)
- 迷ったら残らないもの。年配の方の家は物が増えるのを嫌う
- 食べ物は量・硬さ・持病の3つを見る。個包装が効く
- 餅と硬い菓子は避ける。 健康食品・サプリは勝手に選ばない
- 花はアレンジメントが無難。花束は「生ける」という仕事も贈っている
- 家電は「使い方を覚える」という負担も一緒に贈ることになる
避けたほうがよいもの
- 櫛・刃物は外しておく。それ以外の慣習は相手が気にする人かどうかで判断
- 施設に入っている方には、持ち込みの可否を先に確認
言葉
- 手紙がいちばん残る。 3行でよい
- 「いつもありがとう」だけにせず、去年の出来事を1つ入れる
- 「長生きしてね」より「また一緒に〇〇したい」
- 子どもに書かせるなら2週間前から

品物より、覚えていたことのほうが伝わります
「孫がいるかで決める」「量と硬さを見る」「前日に着くようにする」。この3つを覚えて帰ります。
それで十分です。敬老の日は、豪華にする行事ではありません。 覚えていた、ということが伝わればそれで成立します。
毎年悩んでいたのが、少し軽くなりました。
悩む必要はないんです。同じものを毎年贈っても構いません。 「今年もこれが届いた」というのは、それ自体が続いている証拠になりますから。
秋から年末にかけては、贈り物と準備が続きます。あわせてどうぞ。
- お歳暮はいつまでに贈る? — 時期・相場・品物選びの要点
- のし紙の書き方と水引の選び方 — ・内のし外のしの決め方
- 実家の片付けはいつ始める? — 帰省を活かした進め方
- 喪中はがきはいつ出す? — その年に不幸があった場合
- 9月に必要になるものは 9月に読むべき記事の一覧 にまとめています



