母の日は5月の第2日曜日です。日付が毎年動くので、毎年カレンダーを見ることになります。
ただ、この行事でいちばん損をしやすいのは日付の勘違いではありません。「母の日の当日に着くように」と指定してしまうことです。
意外に思われるかもしれませんが、宅配便の日付指定は「その日に必ず届く」という約束ではありません。 国が定めた標準宅配便運送約款には、交通事情などで指定日の翌日になることがあると、はっきり書かれています。しかも遅れたときの賠償は、送料の範囲までです。
結論から言うと、母の日の2〜3日前に着くように手配する。これが確実で、花屋の側も同じことを勧めています。
この記事では、日付の決まり方、いつまでに注文すれば日付を選べるのか、生花が受け取れなかったときに何が起きるか、義理の母や施設にいる母へ贈るときの注意までを、働きながら家のことを回しているサキさんとハル先輩の会話で整理していきます。

「当日に着くように」が、いちばん危ない指定です
こんな方に読んでほしい記事です
毎年ぎりぎりに気づいて、残っているものから選んでいる
去年、当日に届かなかった。あるいは母が不在で受け取れなかった
実母と義母で何をどう揃えるか、毎年悩む
花を贈りたいが、世話の負担になるのではと気になっている
この記事の前提
母の日は国民の祝日ではなく、法律で定められた行事ではありません。日付は「5月の第2日曜日」という慣習から計算できます。一方、相場や「何を贈るか」の調査は花やギフトを扱う会社が行ったものが中心で、中立な公的調査は見つかりませんでした。この記事では、制度と計算で確実に言えることを中心に書いています。
去年、母の日の当日に届くよう指定したんですが、届いたのは翌日でした。
それは、実は規約どおりなんです。 宅配便の日付指定は「その日に必ず届ける」という約束ではありません。国が定めた約款に、交通事情などで翌日になることがあると書いてあります。
指定した意味がないじゃないですか。
意味はあります。目安としては効きます。 ただ「当日でなければ困る」ものを当日指定で送るのが、そもそも設計として無理なんです。
じゃあ、どうすれば。
2〜3日前に着くようにしてください。 早く着いて困る贈り物ではありませんし、花屋のほうも配達を分散させたがっています。 むしろ早いほうが、いい状態の花が届きます。
結論:5月第2日曜。着くのは2〜3日前にする
覚えることは2つです。母の日は5月の第2日曜日。そして着くのは当日ではなく、2〜3日前。
日付は計算で出せる
「5月の第2日曜」という決まりなので、しばらくはこうなります。
| 年 | 母の日 | 父の日(6月第3日曜) |
|---|---|---|
| 2027年 | 5月9日 | 6月20日 |
| 2028年 | 5月14日 | 6月18日 |
| 2029年 | 5月13日 | 6月17日 |
| 2030年 | 5月12日 | 6月16日 |
| 2031年 | 5月11日 | 6月15日 |
| 2032年 | 5月9日 | 6月20日 |
規則から、母の日は必ず5月8日〜14日のどこかになります。ゴールデンウィークと重なることはありません。
母の日も父の日も、国民の祝日ではない
どちらも民間で広まった記念日で、法律で定められた祝日ではありません(内閣府の祝日一覧に入っていません)。6月には祝日がひとつもないので、父の日を祝日と思っている方は、そこだけ気を付けてください。
手配の逆算
4月ここで決めて注文する。 日付を選べるのはこの時期まで
5月第1週で受付が締まる店が出てくる。第2日曜が母の日で、着くのはその2〜3日前に
6月父の日。梅雨と重なるので、生ものはさらに慎重に
| やること | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 誰に何を贈るか決める | 4月中旬 | 実母・義母の両方なら同時に決める |
| 注文する | 4月下旬 | ここを過ぎると日付を選べなくなる店がある |
| 受け取れる日を確認する | 注文前 | 生花は特に。留守だと詰む |
| 届く | 母の日の2〜3日前 | 当日指定はしない |
| 電話やメッセージ | 当日 | 品より、こちらのほうが残る |
4月下旬って、ずいぶん早いですね。
ある大手の花屋の案内では、4月30日を過ぎると日付の指定ができなくなり、5月7日で受付そのものが終わっていました。「まだ1週間ある」が通じないんです。
締切があるとは思っていませんでした。
正確には「日付を選ぶ権利」の締切です。それを過ぎても注文はできますが、いつ届くかは店が決めることになります。
「日付指定」は、その日に届く約束ではない
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
宅配便には標準宅配便運送約款という、国が定めた規約があります。多くの運送会社がこれに沿って運んでいます。その第10条に、こう書かれています。
約款は「翌日になることがある」と明記している
標準宅配便運送約款 第十条<br>「当店は、次の荷物引渡予定日までに荷物を引き渡します。ただし、交通事情等により、荷物引渡予定日の翌日に引き渡すことがあります。」<br><br>つまり指定日の翌日到着は、規約の想定内です。約束が破られたわけではありません。
遅れても、賠償は送料の範囲まで
同じ約款の第25条には、遅延の賠償についてこうあります。
| 場合 | 賠償の範囲 |
|---|---|
| 普通に日付を指定しただけ | 運賃等の範囲内(=送料まで) |
| 送り状に使用目的と引渡日時を書いて引き受けてもらった場合 | 定められた限度額の範囲内 |
つまり、普通の日付指定で遅れても、返ってくるのは送料までです。 花代は戻りません。
どうしてもその日でなければ困るなら
送り状に「荷物の使用目的および引渡日時」を記載して引き受けてもらう、という方法が約款にあります。ただし引き受けてもらえるかは運送会社と品物によります。現実的には「2〜3日前に着かせる」ほうが確実です。
花屋のほうも、早く届けたがっている
これは我々の勝手な提案ではありません。花屋の側が配達の分散を呼びかけています。
ある花のギフト会社は、母の日より前の日付を指定した人に特典を付けるキャンペーンを実施しました。早い日ほど特典が大きいという設計です。理由として、繁忙期の再配達対応の負担を減らすことと、切り花は作ってからできるだけ早く渡すほうが良い状態で楽しめることを挙げています。
早く届くことは失礼ではない
むしろ当日の朝を、いちばんきれいな状態の花で迎えられるのは、早めに届けたときだけです。当日の朝に届くよう賭けるより、2〜3日前に確実に届けて、当日は電話をかける。この順番のほうが、受け取る側にとっても良い形になります。
早く届くと「気が早い」と思われないでしょうか。
カードを添えれば伝わります。 「母の日に」と書いてあれば、届いた日が何日でも、それは母の日の贈り物です。
言われてみればそうですね。
それに当日は届かないかもしれないのに、当日に賭ける理由がありません。確実に手元にある状態で当日を迎えるほうが、こちらも落ち着きます。
生花は「受け取れなかったとき」がいちばん怖い
花を贈るなら、相手が受け取れる日時を先に確かめてください。ここを飛ばすと、いちばん損の大きい失敗になります。

生花は、受け取れないと戻ってきません
生花が置き配にならない、本当の理由
「生花は置き配できない」とよく言われますが、正確にはこういう構造です。
決めているのは運送会社ではなく、送り主
大手の置き配サービスでは、・代引き・着払いに加えて、「荷送人が置き配を容認しない荷物」が対象外とされています。この判断をしているのは送り主(花屋や通販)です。つまり「法律で禁止されている」のではなく、花屋が置き配を許可していないから置き配にならない。だから受け取る人が家にいる必要があります。
受け取られないと、どうなるか
ここが最も知られていないところです。標準宅配便運送約款には、こうあります。
| 段階 | 約款の定め |
|---|---|
| 不在だった | 不在連絡票を入れて、営業所で保管(第12条) |
| 受取人が分からない/受取を拒まれた | 送り主に指図を求める(第13条) |
| 変質・腐敗しやすい荷物で、期間内に指図がない | 送り主に予告した上で、直ちに売却その他の処分ができる(第14条ただし書) |
生花は「変質しやすい荷物」にあたる
一般の荷物のように長く保管されるわけではありません。クール便の営業所保管は、最初の不在連絡票を入れた日を含めて3日間とされています(大手運送会社の案内)。受け取られないまま日が過ぎれば、処分されうる。返品も返金も期待できません。
鉢植えは、切り花より遅れやすい
意外に知られていない点です。
横倒しにできない荷物は、飛行機に載らないことがある
大手運送会社は、横倒しにすると傷むおそれのある荷物は陸海上輸送になり、1日以上遅れる場合があると案内しています。鉢植えはここに当たります。切り花と同じ日数で考えると間に合いません。 遠方へ鉢植えを送るなら、さらに前倒ししてください。
傷んで届いたら、14日以内に連絡する
14日を過ぎると請求できなくなる
標準宅配便運送約款では、荷物の損傷についての責任は、引き渡しの日から14日以内に通知しないと消滅すると定められています。「もう少し様子を見よう」としているうちに期限が来ます。届いた日に写真を撮って、すぐ連絡してください。
母が日中は出かけているので、受け取れるか分かりません。
それなら花を選ばないほうが安全です。 あるいは「この日の午前中は家にいて」と先に伝えてしまう。サプライズにこだわると、この行事はうまくいかないことが多いんです。
先に言ってしまうと、驚きがなくなりませんか。
「何が届くか」は言わなくていいんです。「その日、荷物が届くから家にいて」だけで、受け取りの問題は消えます。中身は開けるまで分かりません。
何を贈るか

花は定番ですが、形によって相手の手間が変わります
| 型 | 相手の手間 | 向いている相手 |
|---|---|---|
| 切り花・花束 | 花瓶を出す、水を替える | 花を扱い慣れている人 |
| アレンジメント | 器ごと届く。水を足すだけ | 迷ったらこれ |
| 鉢植え | 水やり・日当たり・植え替えが続く | 園芸が好きな人 |
| 消えもの(食べ物・飲み物) | 置き場所が要らない | 物を増やしたくない人 |
| 時間(食事・電話・訪問) | — | 物より会いたい人 |
迷ったらアレンジメントです。器に吸水スポンジが入っていて、届いたその場で飾れます。花瓶を出す必要も、茎を切る必要もありません。花束は「生ける」という作業も一緒に贈っていることになります。
鉢植えは「世話」と「置き場所」も贈っている
長く楽しめるのは利点ですが、裏返すと毎日の水やりと、日当たりのよい置き場所が要るということです。高齢の方、集合住宅、外出が多い方には負担になることがあります。前の章のとおり、配送でも遅れやすいという弱点もあります。
白いカーネーションは避けるべきか
「白いカーネーションは亡くなった母に供えるもの」という話を聞いたことがあるかもしれません。
これは慣習の話で、決まりではありません。 母の日の由来として、創始者が亡き母をしのんで白いカーネーションを配った、という説明が広く流通していますが、その細部は資料によって食い違っており、一次資料では確認できませんでした。
現実的な結論
気にする方はいます。 ですから、白一色の花束をあえて選ぶ理由がなければ避けるのが無難です。一方、白を含んだ多色のアレンジメントを問題視する慣習は確認できませんでした。 花言葉を「決まりごと」として重く受け取る必要はありません。
気にする人がいるもの
こちらも慣習の話で、法的な根拠はありません。「そう受け取る人もいる」という程度に読んでください。
| もの | 言われている理由 |
|---|---|
| ハンカチ | 漢字で「手巾」=「手切れ」を連想させる |
| 櫛 | 「苦」「死」に音が通じる |
| 刃物(包丁・はさみ) | 「縁を切る」 |
| 靴・靴下・スリッパ | 「踏みつける」を連想。サイズの問題もある |
全部避けると贈れるものがほとんど残りません。 判断がつかないときは、櫛と刃物だけ外しておけば、たいてい問題になりません。
物を贈らないという選び方

子どものころの定番にも、ちゃんと理由があります
毎年「何を贈ろう」で悩むなら、物を贈るのをやめるという手があります。一緒に食事をする、帰省する、電話をかける。受け取りの心配も、置き場所の心配もありません。
花が定番だと思っていましたが、そうとも限らないんですね。
「花が1位」という調査はよく見かけますが、それを調べているのが花の会社であることが多いんです。花以外も扱う会社の調査では、食べ物が上位に来ます。調査の出どころで順位が変わるので、あまり真に受けなくていいです。
じゃあ何を信じれば。
お母さんの暮らしです。 花瓶を出すのが面倒な人、物を増やしたくない人、甘いものを控えている人。ランキングより、その人のほうが確かです。
義理の母へ贈るとき、施設にいる母へ贈るとき
義理の母へ
慣習として、次のように言われます。決まりではありませんが、揉めにくい形ではあります。
| 項目 | 一般に言われていること |
|---|---|
| 差出人 | 夫(義母から見た息子)との連名にする。伝票の依頼主欄とカードの両方 |
| 金額 | 実母と揃えるのが無難とされる |
| 時期 | 同じ日に着くようにする |
ただ、金額を揃えること自体より、もっと効くものがあります。
揃えるべきは金額より「手間」
片方に手書きの手紙を添えて、片方は既製品のカードだけ。これは金額より目立ちます。 同じ年に同じくらいの手間をかける、と考えたほうが実際的です。
実母と義母は「同時に」手配する
締切も配送条件も同じです。別々のタイミングで進めると、片方だけ間に合わないということが起きます。そして間に合わなかったほうが、はっきり分かってしまいます。
義母の家は、生活のパターンが読めないのも難しいところです。前の章の「受け取れる日時」の問題が、実母より起きやすくなります。夫に聞いてもらうのがいちばん早いことが多いです。
施設・病院にいる母へ
生花は、贈る前に確認が要ります。
施設や病院では、花を持ち込めないことがある
感染管理を理由に、病棟への植物の持ち込みを制限している病院があります。ある公立の医療機関では、特定の病棟で草木を含むすべての植物を禁止し、他の病棟でも切り花のみ・水の毎日交換などの条件をすべて満たす場合に限る、としています。<br><br>介護施設も、花の管理の負担や入居者の安全を理由に断ることがあります。全国共通のルールはありません。事前にその施設へ確認する以外に正解はありません。
さらに、配送のうえでも注意が要ります。
施設のスタッフが受け取った時点で、配送は完了扱いになる
標準宅配便運送約款では、配達先が住宅以外の場合、その管理者などへの引き渡しをもって荷受人への引き渡しとみなすと定められています。つまり、そこから先は施設のルール次第です。持ち込めない決まりだった場合、受け取りを断られ、変質しやすい荷物は処分されうる(前の章のとおり)。
施設あてなら「消えもの」か「かさばらないもの」
本人が管理しなくてよいもの、置き場所を取らないものが安全です。手紙と写真は、この点でも強い。
施設に確認するのは、少し気が引けます。
普通の問い合わせです。 施設の側も、届いてから断るほうが困ります。「花を送りたいのですが、お受け取りいただけますか」の一言で済みます。
断られたらどうしましょう。
そのときは手紙にしてください。 施設で断られるものはたいてい「管理が要るもの」です。手紙は誰の手も煩わせません。
注文する前のチェック
- 1今年の母の日が5月の第2日曜のいつか確認した
- 24月下旬までに注文する予定を立てた(日付を選べる期限)
- 3着く日を母の日の2〜3日前にした(当日指定にしない)
- 4実母・義母の両方なら、同時に手配した
- 1相手がその日時に家にいるか確認した
- 2生花なら、置き配にならない前提で考えた
- 3鉢植えを遠方へ送るなら、さらに前倒しした
- 4施設・病院あてなら、持ち込めるか事前に確認した
- 1相手の手間(花瓶・水やり・置き場所)を考えた
- 2迷ったらアレンジメントにした
- 3白一色の花束を、理由なく選んでいないか
- 4食べ物なら、量・硬さ・食事制限を考えた
- 5施設あてなら、本人が管理しなくてよいものにした
- 1傷んで届いたら、14日以内に連絡する(写真を撮っておく)
- 2当日に電話かメッセージを入れる予定を立てた
全部やらなくてよい
多いと感じたら、「4月下旬に注文する」「2〜3日前に着かせる」「相手が家にいる日にする」の3つだけ持ち帰ってください。母の日で起きる失敗の大半は、この3つで防げます。
まとめ:当日に賭けない
要点をもう一度まとめます。
時期
- 母の日は5月の第2日曜日。必ず5月8日〜14日のどこかになる
- 国民の祝日ではない(父の日も。6月には祝日がひとつもない)
- 注文は4月下旬まで。 これを過ぎると日付を選べなくなる店がある
- 着くのは母の日の2〜3日前。当日指定にしない
なぜ当日指定をしないのか
- 宅配便の日付指定は「その日に必ず届く」約束ではない。国が定めた約款に、交通事情などで翌日になることがあると明記されている
- 遅れても、賠償は送料の範囲まで
- 花屋の側も配達の分散を呼びかけている。 早く届くほうが、花の状態も良い
受け取り
- 生花が置き配にならないのは、送り主が置き配を許可していないから。 相手が家にいる必要がある
- 受け取られないまま日が過ぎると、変質しやすい荷物は処分されうる
- 鉢植えは横倒しにできず、陸海上輸送で1日以上遅れることがある
- 傷んで届いたら、14日以内に連絡する
何を贈るか
- 迷ったらアレンジメント。花束は「生ける」という作業も贈っている
- 鉢植えは世話と置き場所も一緒に贈ることになる
- 白いカーネーションは気にする人がいる。ただし決まりではない
- 「花が1位」の調査は、花の会社が調べたものが多い。 出どころで順位が変わる
義母・施設
- 実母と義母は同時に手配する。揃えるべきは金額より手間
- 施設・病院は生花を持ち込めないことがある。 事前に確認する
- 施設のスタッフが受け取った時点で配送は完了扱いになる

当日に届くかどうかより、覚えていたことが伝わります
「4月下旬に注文」「2〜3日前に着かせる」「家にいる日にする」。この3つですね。
それで十分です。母の日で起きる失敗は、ほとんど当日に賭けたせいなんです。賭けなければ、まず失敗しません。
当日じゃないと意味がないと思い込んでいました。
カードに「母の日に」と書いてあれば、届いた日が何日でも母の日の贈り物です。大事なのは日付ではなく、覚えていたことですから。
贈り物まわりは、同じ考え方が他の行事でも使えます。
- のし紙の書き方と水引の選び方 — ・内のし外のしの決め方
- 敬老の日はいつ? — 何を贈るか、量と硬さの見方
- お歳暮はいつまでに贈る? — 年末の贈り物
- 5月に必要になるものは 5月に読むべき記事の一覧 にまとめています



